ランニングとウォーキングの比較は意味がない?ダイエットで本当に大切なこと

ランニングとウォーキングの比較は意味がない?ダイエットで本当に大切なこと
2019年11月10日 鳥北 舜斗

秋です。食欲の秋、じゃなかった、スポーツの秋ですね。

 

ランニングをするのには、ちょうどよい気候となりました。とはいっても、私が住んでいるのは大阪なので、北海道ではそろそろ、冬の訪れなんでしょうけれど。

 

暑さも和らいだので、さあ、走ろうと思うのですが、ちょっと気になることがあります。以前にも紹介したと思うのですが、私のバイブルである小出義雄著「知識ゼロからのジョギング&マラソン入門」には、ダイエットのために走るのなら、ウォーキングから始めるのがいい、とあります。

 

では、ランニングとウォーキングでは、どちらのほうがダイエットに効果があるのでしょうか?

 

ランニングにはさまざまな効果がありますが、今回はできるだけ効率的にダイエットできる方法に絞って考えてみましょう。いつものように、あちこちに脱線したら、すみません。

 

 

ダイエットに欠かせないカロリーの基礎知識

さて、ダイエットですから、肝心なのはカロリーの消費量ですよね。でも、そもそもカロリーってなんですか?カロリーを消費するってどういうことですか?

 

あなた、わかりますか?

 

私たちがお世話になっている体重計のトップメーカー、タニタのホームページを参考に勉強しましょう。

 

カロリーというのはエネルギーの単位です。(理科で習いましたね)そして、1キロカロリーのエネルギーで、1リットルの水の温度を1度上げることができます。

 

人の体でいえば、人が生きていくために必要なエネルギーのことですね。体を動かさずにじっと寝ていても、呼吸したり内臓を動かしたり、体温を維持したりするためにエネルギーは消費されます。これが基礎代謝ですね。

 

ですから、私たちは基礎代謝と体を動かすためのエネルギーを食べることで得ています。そして、あまったエネルギーは脂肪として蓄えられます。逆にエネルギーが足りなくなると、脂肪をエネルギーに変えていきます。

 

つまり、脂肪を減らして体重を落すには、食べる量を減らすか、運動量を増やして食べて得られるエネルギーの量より、基礎代謝や体を動かして消費されるエネルギーの量を増やせばいいということになります。

 

では、1キロの脂肪を消費するには、何カロリーのエネルギーが必要でしょうか。

 

脂肪1グラムのカロリーは9キロカロリーだそうです。ということは、1キロの脂肪を減らすには9000キロカロリーの運動が必要です。

 

ただし、体の中に蓄えられている脂肪には水分などの成分も含まれていて、純粋な脂肪(脂質、つまり脂身ですな)は、その約80%なので、実際には7200キロカロリーで脂肪1キロを消費できるそうです。

 

大人が1日に食事で摂取するエネルギー量は2400~3000キロカロリーとされていますから、3日間絶食すれば、1キロ分の脂肪が消費されるということですね。めでたしめでたし。

 

なんてワケにはいきませんね。3日絶食して1キロしか体重が減らないなんて、とてもではありませんが、割に合いません。

 

では、1カ月で1キロ減量するとしたら、どうでしょう。7200キロカロリーを30日で割ると、1日あたり240キロカロリー。これならできそうな気がしますね。ちなみに、日本食品標準成分表によると、食べ物なら、どら焼きや大福餅、笹団子など100グラム分、コーラ500ミリリットル1本くらいが、だいたい240キロカロリーだそうです。

 

詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。

タニタ公式HP 「健康のつくりかた」

 

 

ウォーキングとランニング、どちらがダイエットに効果的?

1日240キロカロリーの食事を減らせば、1カ月で1キロ痩せられることがわかりました。ということは、運動で1日240キロカロリー余分に消費しても、1カ月で1キロ痩せられるということですね。

 

さきほどのタニタのHPによると、身長171センチで体重70キロの30-40代男性の場合、ウォーキング50分、ジョギング27分程度で240キロカロリーが消費できるそうです。

 

そう、もう答えは出ましたね。ウォーキングのカロリー消費量はジョギングの約半分、走ったほうがカロリーが消費されます。どんどん、走りましょう。では、ありません。

 

よく考えましょうね。あなた、毎日30分間走れますか?すみません。私は無理です。

 

それはね、何年も走っていて、マラソンを目指している人なら、いいです。でも、今回はダイエットを目的にした人向けですからね、ちょっと話が違います。

 

ダイエットを目的に走り始めた人が、いきなり30分走ったら、足を痛めます。それに人によって、走ったり歩いたりする速度が違うので、距離も変わります。そこで、思い出しましょう。亡き小出義雄先生の言葉を。

 

「まず、うんと歩くといいね。それで体がしまってくる。走るのはそれからだ」

 

小出さんによると、太っている人がランニングを始めるときは、まず1カ月ほどウォーキングをして脚の筋肉と心肺機能を高めることが大切なのだそう。そして、ウォーキングを5分したら、3分走るといった形で、徐々に走る時間を延ばしていく。

 

どちらがよいではなくて、体力に合わせてウォーキングやランニングをミックスして体を慣らしていくことが必要なのですね。

 

それに、恐ろしいことに、アメリカの研究では、1週間に48キロ以上のランニング、または74キロ以上のウォーキングをすると、心臓発作を起こすリスクが高まるそうです。(ローレンスバークレー国立研究所・ニュースリリース

 

運動し過ぎは体に悪いということです。やはり、無理は禁物。ランニングか、ウォーキングのどちらが良いかではなく、自分に合っているのはどちらか、を考えて選ぶことが必要ということなのでしょうね。

 

 

ランニングやウォーキングのダイエット効果を高めるには

ランニング、ウォーキングは「どちらがよいか」ではなく、自分に合った方法は何か、が大切だということ。わかりましたか?

 

では、ランニングやウォーキングはどのように、やれば効果的なのでしょうか?

 

 

効果的なランニング、ウォーキングとは

ウォーキングにしても、ランニングにしてもダイエットをするには、長く走ること。ゆっくりでもいいから、長く走るのが大切で、スピードは関係ありません。息が切れるほどの全速力で走っても、長続きしなければ意味がありません。走りながら会話できるくらいのペースがいいですね。

 

と、これは「ジョギング&マラソン入門」の受け売りです。要するに、時間もペースも自分の実力にあわせてやればいいんです。

 

走るフォームだって 十人十色。一流マラソンランナーだって、みんな違うフォームで走ってますからね。

 

でも、けがをせず、効率的に歩いたり走ったりするポイントはあります。

 

大阪マラソンビギナーズインフォメーション から大阪体育大学の豊岡示郎教授に教えていただきましょう。

 

まずは姿勢です。ウォーキングでも、ランニングでも背筋をまっすぐに伸ばすことが重要です。そして、腕を曲げてウォーキングのときはできるだけ大きく振る。

 

ウォーキングのときから、姿勢や腕の振りを意識していると、よいランニングフォームも身につくそうです。

 

ランニングの場合は、あまり姿勢を意識しすぎるとかえって、フォームが崩れることがあるので、首や肩にあまり力をいれすぎないように。肩甲骨を少し引き寄せるような感じにすると、胸が軽く開いて、力みがとれるそうです。腕は、肘を後ろに振るように意識するとよく振れるそうですよ。

 

サイトには、ほかにもストレッチの方法やトレーニング方法も書かれていますから、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

「20分以上運動しないと効果がない」はウソ

以前は、ウォーキングやマラソンなどの有酸素運動は20分以上続けなくては、ダイエットに効果がない、と言われていましたが、最近はそれも否定されているようです。

 

どうして、20分と言われていたのかというと、20分くらい運動すると、脂肪が効率的に消費されるからで、20分以内の運動でも脂肪は消費されるそうです。だから、5分の運動を4回でも、10分の運動を2回でも、全く問題がないそうです。

 

これは、以前、NHKの「ためしてガッテン」でやっていました。私はたまたま、見ていましたよ。いやあ、見ていて驚きました。それまで「20分以上運動しないとダイエットにならない」とずっと、聞かされてきましたから。

 

今回、ネットで、その「ためしてガッテン」の内容を探してみたのですが、見つかりませんでした。そこで、デサントのHPから、こちらをどうぞ。

20分走らないと脂肪は燃えないはウソ!? バスクリンのお風呂博士が教える、脂肪燃焼と疲労の真実

 

どうです?知ってました?

 

 

ランニングやウォーキングのタイミングは?

ランニングやウォーキングでダイエットをするのに適した時間帯やタイミングはあるのでしょうか。どうせ、やるのなら、効率的に痩せられる時間に走ったり歩いたりしたいですよね。

 

たとえば、朝の方がいいとか、夜の方がいいとか、食事の前がいいとか、後がいいとか。たとえば、ランスマにもこんな記事があります。ランニングをするなら食前にすべき?それとも食後?

 

食前に走れば、確かに脂肪が燃焼しやすいのかもしれません。でも、食後に運動すると、食べた糖分が脂肪になる前に消費されてしまうので、ダイエットにいいという人もいます。それに、脂肪の燃焼にそんなにこだわる必要はあまりなくて、運動することで筋肉が増えれば、基礎代謝量が増えて痩せやすい体になります。

 

ただ、食後すぐの運動はだめですよ。胃や腸に負担がかかるので、食べ物が消化しにくくなりますし、お腹が痛くなるかもしれません。食後の激しい運動を避けるという意味では、食前ならランニング、食後ならウォーキングのほうがいいと言えるかもしれません。

 

朝と夜、どちらが効果的かという点について、小出さんによると、それほど違いはないそうです。

 

それぞれ、メリットとデメリットがあって、朝にランニングやウォーキングをすると、空気が爽やかで気持ちがよく、一日を活動的に過ごせます。そして、夜にやると、一日の終わりに体を動かすことでストレスが解消できます。

 

しかし、朝は体がまだ目覚めていないので、心臓や間接に負担がかかることがあり、夜は自律神経のリズムを狂わせて睡眠の妨げになることがあるそう。夜は暗いので、交通事故や転倒の危険もありますしね。

 

だとすれば昼間がいいんでしょうかね。でも、昼間に運動する余裕のない人もいますし、夏は暑いし。

 

だから、結局は自分にあった時間がいいんです。やらないよりは、いいに決まっているのですから。

 

 

スロージョギングのすすめ

最初はウォーキングでスタートするとして、なかなかランニングのような激しい運動はしんどい、という人もいますよね。そう人たちにオススメな運動にスロージョギングというものがあるそうです。

 

スロージョギングは福岡大学スポーツ科学部の田中宏暁名誉教授が提唱した運動方法です。2009年にNHKの「ためしてガッテン」(!!)で紹介されて広く知られるようになったのだとか。田中先生は残念ながら2018年4月に亡くなられました。

 

 

ゆっくり走るスロージョギングのやり方とは

スロージョギングとは、文字通りゆっくり走ること。背筋を伸ばし、やや前傾の走る姿勢で、歩くのと同じ速度で走り(?)ます。ただ、速く走るときのように、足を蹴り上げると疲れたり、足を痛めたりするので、足の指の付け根で着地するそうです。

 

そのとき、大切なのは、笑顔で会話できるくらいの速度でとにかくゆっくり足を運ぶことと歩幅も小さくすること。そうやって走ると、疲れにくく長い距離を走ることができるそうです。

 

 

疲れにくく脂肪も消費、スロージョギングの効果とは

「結局、歩くのと同じでは」と思われる方もいるかも知れませんが、歩くのに比べ1.6倍もカロリーを消費するそうです。ゆっくりだとはいえ、歩くの走るのでは筋肉の使い方が違うのでしょうね。

 

しかも、ゆっくり走ることで、膝などの衝撃も少なく、どこかを痛めるという危険性も減ります。また、ゆっくり走ると疲れにくく、初心者でもどんどん長い距離を走れるそうですよ。

 

これなら、そんなに苦しい思いもせずに、ダイエットができそうです。

 

スロージョギングについて詳しく知りたい方は、日本スロージョギング教会が各地で教室などを開いていますので、そちらへぜひどうぞ。

 

一般社団法人 スロージョギング教会

 

本で勉強したい方はこちらはいかが。

 

 

 

無理はしないで自分のペースで

「誰にでもできるダイエット方法」って、よく耳にしますが、人それぞれライフスタイルがあって、健康状態が違うということを考えると、ダイエットのやり方は人それぞれだと思うんです。ランニングか、ウオーキングかではなく、どちらが自分に合っているかが大切。

 

ただ、共通なのは「食べたもののエネルギーより多く運動でエネルギーを消費する」。これだけです。

 

しっかり食べて、しっかり運動する。そして、なにより無理な運動はしない。朝に走れなかったら、夜に歩いてもいいし、まとめて時間がとれなければ、短い距離を1日何回か走ってもいい。

 

無理せず、自分のペースで走ったり、歩いたりし続けていれば、いつの間にか体重も減って、健康にもなります。

 

それが最高のダイエットだと思うなあ。まあ、それさえもできないから、苦労しているんですけどね。

 

 

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