
ランニング初心者の鳥北です。
ランニングを初心者から始めたら、走り方が悪いのか膝や腰が痛くなったという方いらっしゃいませんか?
私もそんな悩みを持つランニングビギナーなのですが。。
ランニングの着地衝撃がどうも影響しているような気がする。。。
ランニングの着地衝撃を和らげることが長く、かつ継続していくには必要なのではないかと考えるようになりました。
この記事では、膝や腰への負担を減らすべく、ランニングの着地衝撃を和らげる対策やコツについて、
まとめてみました。
目次
ランニングの着地で膝にかかる衝撃とは
まず、ランニングによる膝の負担とはなんでしょうか。
実は、これは結構難しいんですよ。調べ始めて後悔しました。できるだけ、わかりやすく説明しますね。
走っているときに、膝にはさまざまな力がかかっています。一つは地面からの衝撃。もう一つは足を動かすことによる力です。走ると、膝を曲げたり、ねじったりしてバランスを取りながら走っていますから、結構複雑な動きをしています。
ランニングのフォームが悪い人は、走りながら必要以上に膝を動かしていることがあります。特に走るとき足首を内側や外側に回すような癖がある人は膝を痛めやすいそうでよ。
もし、ランニングをすると膝が痛むという人は、ランニングフォームが悪いのかもしれません。
取り上げたいのが、地面から受ける膝への衝撃です。
ところで、地面を踏むと足に力を受けますよね。それが「衝撃」なんですが、どうして足を踏むと力を受けるか、わかりますか?小さくジャンプしたときと、大きくジャンプしたときに足への衝撃の大きさは違いますよね。
それはなぜだか、わかります?
はい、「そんなの当たり前だろう」と思った方、「当たり前」ですませては、人類の進歩はないんですよ。
スポーツの研究者やスポーツ用品メーカーの人たちは、日夜、どうして足に衝撃を受けるか、その大きさはどのようにすれば測定できるのかを研究しているんですからね。
その結果の一つが、ナイキの厚底シューズというわけです。
それで、足への衝撃の正体は「地面反力」という力です。
人は、常に地面から反発する力を受けているんですね。普通に立っていると、体重と同じ力を地面から受けています。
垂直跳びをするときは、グッと足に力を入れてから飛びますよね。
それは、地面に力をかけて、地面から反発する力を利用して飛び上がっているんです。
私は最近、他のスポーツの記事も書くようになってきたんですが、「地面反力」という言葉をよく聞くようになりましたよね。ここ、10年くらいのことらしいです。頻繁に使われるようになったのは。
たとえば、ダンスで地面(床)からの反発力を利用して飛ぶとか、体操ももちろんそうですね。
あとは、ゴルフや野球のスイングでも、地面からの反発力を利用して体を回転させて・・・とか。
もちろん、ランニングも地面反力を使うと速く走れるそうですよ。
そんで、地面反力の大きさは体重と重力加速度と重心の加速度によって求められるらしいです。
求められるらしい、というのは、この辺で私の理解力の限界を超えたからです。
これ以上、語るとボロがでます。なので、これ以上詳しく知りたい方は専門家のサイトをどうぞ。
ちなみに走っているとき、足には体重に2倍から5倍の力がかかるそうです。
ああ、ちゃんと物理を勉強しておけば、よかった。
宮地力先生は、現在、東京大学の特任研究員をされています。
学位論文が「着地衝撃についての力学的研究」(1978年)なので、ずいぶん前から、着地の衝撃について研究しているようです。
宮地先生の記事で興味深いのは(ぜひ、読んでみてください)、人の足首や膝が地面からの衝撃を和らげるため、状況に応じて特性を変化させるという点ですね。
つまり、体を上手く使えば、靴の力を借りなくても、衝撃を和らげることができるんですよ。
これぞ、人体の神秘ですな。
ランニングの着地でかかる膝への衝撃を少なくするには?
ランニングで地面からの反発力は、衝撃として足や膝に伝わります。
そして、その衝撃は膝や足首などの力で緩和されます。
とはいっても、すべての力が吸収されるわけではありませんから、衝撃を少なくする工夫も必要です。
では衝撃を和らげるには、どのような方法があるのか、調べてみましょう。
着地で膝にかかる衝撃を抑える対策1:走る場所を選ぶ
まず、走る場所を変えるという方法がありますね。
やっぱりアスファルトは地面からの反発が直接返ってきます。それに比べて、芝生や土は力を吸収してくれるので、反発する力も弱まります。
ただ、柔らかければいいというものでもありません。砂浜はかえって走りにくいですからね。
走るには、地面からの反発も利用しなくてはなりませんから、ある程度の硬さも必要です。
そうなると、柔らかめなアスファルトか、土、芝生というところでしょうか。中でも、できるだけ平坦なところがいいですよね。滑ったり、転んだりしてはいけませんから。
柔らかめのアスファルトというのは、アスファルトにも、いろいろ硬さの違いがあるそうです。こんな研究もありました。
あと、コンクリートや石畳は硬すぎるので、やめたほうがいいそうです。
一番いいのは、競技用のトラックなんでしょうけど、みんなが走れるわけではありませんからね。
着地で膝にかかる衝撃を抑える対策1:シューズを変える
やはり、これは重要ですよね。シューズを変える。厚底シューズはもちろん、薄くても衝撃をクッションで和らげてくれるシューズとか、ありますから。
靴を変えなくても、インソールを入れ替えるという方法もあります。インソールについては、こちらを読んでくださいね。
厳選!ランニング専用のおすすめインソール3選|購入前に必ず知っておきたい事
着地で膝にかかる衝撃を抑える対策1:走り方を直す
走る場所と靴を選んだら、今度は走り方です。
人それぞれ、骨格や走るときの癖などが違いますから、その人が走りやすい方法で走ればいいんだと思うんです。
基本的に。誰でも世界一のマラソンランナー・キプチョゲ選手と同じ走り方ができるわけではありませんからね。
でも、それでも足が故障しにくい走り方や膝への衝撃を和らげる走り方はあります。
特に、足首や膝をねじるように走る癖のある人や腰が引けたフォームになっている人は膝に負担がかかりやすいそうです。
フォームと痛みの関係について、詳しく知りたい方は、こちらの本をどうぞ。
後は、地面の着地方法です。
「フォアフット」「ミッドフット」「ヒールストライク」の3種類の走法があり、それぞれ特徴があります。
これも、人によって合う合わない、があるのですが、一応、ミッドフット走法が、膝に負担がかかりにくいと言われています。
膝への衝撃を和らげるシューズ3選
実際に、シューズを変えて膝への衝撃を和らげようとしたとき、どのようなものを選べばいいのか、各メーカーが「足や膝への負担軽減」をうたっているシューズを見ていきましょう。
シューズ選びの参考にしてください。
ナイキ リアクト インフィニティ ラン
2020年1月に発売されたばかりのナイキの新モデルです。「怪我ゼロ」を目指したシューズだそうです。
例によって厚底シューズで、柔らかく反発性のある素材を使っています。さらに、ソールをロッキングチチェアのような形にしたことで、着地からつま先で蹴り出すまでスムーズな足運びができるようにしました。
ナイキによると、従来型のシューズに比べて怪我の発生率が52%減少したとのことです。
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アシックス GT-2000 8
アシックスの「GT-2000」シリーズの最新シューズで、2019年11月に発売されました。着地の快適さとキック時の軽快さを追求したそうです。
靴底には、かかと部分と全部外側に小さな切れ込みがあり、体重がかかると変形することで衝撃を和らげます。また、かかと部分の内部に入った衝撃緩衝剤「ゲル」の形や配置場所も工夫したそうです。
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ミズノ ウエーブライダー23
2019年8月に発売された「スムーズな走り心地」が特徴のシューズです。
ソール部分にミズノ独自の波形プレートを挟み込んで、縦方向の衝撃を吸収します。また、靴の底に大小異なる穴を配置。着地時に穴がつぶれて衝撃を吸収するそうです。
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ランニングでオススメの着地方法
ドラマ「陸王」で一躍有名になったミッドフット走法。
ミッドフット走法にすれば、膝への衝撃も軽減されると言われます。
なにしろ、ミッドフット走法は「人間本来の走り方」なんだそうですから。
ミッドフット走法とは、足の裏の中央あたりで着地する走り方のことです。
ほかに、かかとから着地するヒールストライク走法とつま先に近い部分から着地するフォアフット走法があります。
フォアフット走法は、アフリカ出身の選手がよく使う走法としてよく知られるようになりました。日本人の多くはヒールストライク走法で走っているそうです。
また、ナイキの厚底シューズはもともと、フォアフット走法のために開発されたとも言われています。
では、ミッドフット走法とは、どんな走り方なのか。こちらのサイトをどうぞ。
足の裏全体で衝撃を吸収し、体への負担が軽減される走り方なんだそうです。
ちなみに、こちらのサイトでは、ヒールストライク走法とフォアフット走法についても説明してくれていますから、参考にしてみてください。
じゃあ、すぐにミッドフット走法に変えてみよう、と思ったあなた、ちょっと待ってください。
何度も言っていますが、骨格や走り方の癖は人それぞれ。走り方は十人十色です。
必ずしも、あなたがミッドフット走法に合っているとは限らないんですよ。
日本人は骨格的に、ヒールストライク走法が合っているという人もいますからね。
それに、変な走り方の癖がついていたら、着地方法を変えても膝や足の負担は変わらないかもしれません。
無理にフォームを変えることで、変な癖が付くということもありますからね。
バルセロナ五輪の女子マラソン銀メダリスト、有森裕子さんも言っています。
私自身、現役時代に足裏のどこで着地するかといったことは、ほとんど意識していませんでした。計測データすら取ったことがありません。ということは、着地に関してさほど意識しなくても支障なく走れたということになります。
極論すれば、自分が最も走りやすいと思う位置で着地すればいいと思いますし、あまり「つま先、真ん中、かかとのどこで着地するか」ということに意識をとられすぎないようにしたほうがいいのではないかと思います。なぜなら、着地の仕方は、ランナーのフォームや体格、筋量だけでなく、上りや下り、平坦、トラック、ロード、トレイルといった地面の状態によっても異なるからです。
それに、シューズと走り方の相性もありますからね。興味のある方はフォーム改善に取組んでもいいでしょう。でも、フォーム改善は簡単にできませんから、慎重に行ってくださいね。
ランニング後の身体のケアを必ず行おう
走っている間の膝への負担の軽減も大切ですが、走った後もケアも欠かせません。
地面からの衝撃を膝で吸収すると言いますが、それは膝の上くらいにある大腿四頭筋という筋肉の働きなんだそうです。そして、走って何度も衝撃を受けていると、大腿四頭筋や膝のお皿あたりへの負担が大きくなります。それで、膝周辺が炎症を起こして痛くなるんです。
なにせ、体重の2倍から5倍の衝撃ですからね。
だから、走り終わった後は大腿四頭筋や膝のお皿などを優しくいたわってやらなければなりません。
先ほど紹介した本を出版している「枻(えい)出版社」のサイトに、スポーツドクターの解説がありました。大腿四頭筋のストレッチの方法が紹介されていますので、参考にしてください。
自分に合った正しいフォームで、無理をしないこと
走っているときの着地の衝撃について、いろいろ調べてみましたが、ちょっと地面から受ける力のメカニズムは少し難しかったですね。普段生活している中では当たり前のことなんですが、突き詰めて考えると難しいものです。
地球上で走る以上、地面に着地したときに地面から反発を受けるのは当たり前で、結局、その力を推進力に変えられるか、足や膝への負担にしてしまうかは、走り方やフォーム、シューズなどによって変わってくるということなのですね。
そして、どうしたら、地面からの反発力を上手く利用できるか、体への負担を軽減できるか、日々、研究している人たちがいることもわかりました。あまりに奥が深くて、入り口からのぞいただけで、目まいがしそうです。
結局ですね、オリンピックを目指しているわけではない、市民ランナーは自分が走りやすいように走るのが一番なんです、きっと。私みたいな初心者は特にね。
走って、膝が痛くなったら、休んで体をいたわる。無理をしない。そして、少しずつ力をつけていく。それで十分。オリンピックを目指している方は、きちんとコーチに教わってください。
でも、やっぱり心配なのは夏のオリンピックです。予定通り開催できるのでしょうか?一日も早い、新型ウイルス肺炎の終息を願いましょう。
ランニングを快適に続けるためにも以下の記事は必ずチェックしておいてください。