
各種マラソン大会、駅伝大会など、トップランナーの走りを見ていると、その多くが圧倒的に細身ということに気が付きます。
「細いと早く走れるのかな?」
「パフォーマンスアップのためには体重を減らすべき?」
「マラソンの適正体重はどのくらいなんだろう?」
などと考えさせられますよね。
実は、マラソンと体重にはとても深い関係があります。
この記事を読んで、マラソンを行う時の適正体重を知り、パフォーマンスアップに役立てて下さい。
目次
適正体重の目安を知ろう
減量やダイエットが話題にのぼると、「体脂肪率」や「BMI」という言葉をよく耳にしませんか。
実は、この二つは、体重管理をする上でとても重要な要素です。
体内に蓄積された脂肪のことを体脂肪と呼びますが、その「体脂肪の量が体重に占める割合」が体脂肪率です。
健康やダイエットを気にする人が増えた最近では、体脂肪率測定機能がついた体重計がたくさん出回っていますので、家庭でも簡単に測ることができます。
体脂肪率の標準値は、
40~59歳の男性で12~22%
同じく、女性では22~35%
となっています。
これに対し、BMIとは、適正体重を知るためのツールです。
身長と体重のバランスを数値で表すことができ、その数値によって、やせ型か、肥満気味か、などがわかります。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例えば、身長170cm、体重65kgの人の場合、
65÷1.7÷1.7=22.49 で、BMIは22.49です。
この数値が、
18.5~25は「普通体重」
18.5未満は「低体重」
25以上は「肥満」
16未満は「やせすぎ」
と分類されています。
健康面から言うと、BMIが22のとき、最も健康で病気をしにくい値だそうです。
自分でも簡単に計算することができますが、以下のサイトで身長と体重を入力すれば、瞬時に計算してくれて大変便利です!
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228732
マラソン選手のBMIを見てみよう
以下は、長距離トップランナーのBMIです。
多くのトップランナーが低体重の分類に収まっていますね。やはり速く走るためには体重が重要なファクターとなっているのではないでしょうか。
身長(cm) | 体重(kg) | BMI | |
設楽 悠太 | 170 | 48 | 16.6 |
大迫 傑 | 170 | 52 | 17.99 |
井上 大仁 | 165 | 51 | 18.73 |
安東 由香 | 160 | 42 | 16.41 |
福士加代子 | 160 | 46 | 17.97 |
松田 瑞生 | 158 | 46 | 18.43 |
マラソンのタイムは体重によって変わる?
上記のように、トップランナーはやせ型が多く、BMIも平均よりはるかに低い値を示していました。
マラソンなど長距離のレースを完走するまでには、足に相当の負担がかかります。そのため、体を軽くし足への負担を極力減らすことが、最後まで走るための重要なポイントとなってきます。
マラソン界の常識「1kg=3分」は、ズバリ「体重を1kg減らすと、タイムが3分伸びる」ということ!
もちろん、体重を減らせば減らすほど、タイムが限りなく伸びるわけではありませんが、このように言われるほど体重がマラソンのパフォーマンスに影響を与えることは確かです。
ただ痩せればよいの?マラソンのための減量は体脂肪の燃焼がカギ
体重を減らせば早く走れるのなら、とにかく減量だ!と思ってはいけません。
ただ痩せるだけでは早く走れないどころか、マラソンの完走さえも危ぶまれます!
マラソンのパフォーマンスアップのためには、体重を減らすというよりも、体脂肪を減らすことに着目しなければなりません。
「長く走る」「速く走る」
そのためには、しっかりとした筋肉づくりが必要不可欠です。
減量減量といって筋肉が落ちてしまっては元も子もありません。筋肉は落とさず、体脂肪をうまく燃焼させて、体重を落としていくのです。
体重の増減は、単純に言えば、「摂取カロリーと消費カロリーのプラスマイナス」
摂取カロリーより、消費カロリーの方が大きければ、痩せます!しかし、上述したように、筋肉は落としたくありません!
そこで、
1. 有酸素運動で、脂肪を燃焼させる
2. 筋肉トレーニングで筋力をアップする
3. 摂取カロリー(食事)を減らす(ただしバランスを考えて)
この3点に着目しましょう。この3つが揃って初めて、「筋肉を落とさず体重を減らす」ことができます。
毎日走っているのに体重が減らないのはなぜ?
さて、減量のため毎日ランニングをしているのに、体重が一向に減らない!と嘆く人は意外と多いものです。
ランニングは、有酸素運動の代表ですよね。
この有酸素運動では、運動を始めてから最初の20分くらいは、細胞内に蓄えられている糖質が燃焼されています。そのため、ここでやめてしまうと体脂肪の燃焼まで及びません。
20分を過ぎたころから体に蓄積された体脂肪が燃焼されていくので、体脂肪を燃焼させるために30分~40分は続ける必要があります。また、筋肉トレーニングにより筋肉量が増えると、基礎代謝がよくなるため、消費カロリーがさらに上がるので、効率よく減量ができます。
ただし、例え30分以上走ったからと言って、一度のランニングで体重が減るということは、まず期待できません。
長距離を走り終えた時に「1kg減った!」ところが翌日「元に戻った!」と一喜一憂することはよくありますね。これは、運動直後の体重の減少が、ほとんど発汗による水分の減少だからです。
しかし、焦らず継続して有酸素運動と筋トレを続けていけば、少しずつ体脂肪が減り、体重も減っていきますよ。
重い体重が膝の故障を引き起こすかも?
マラソンは42.195kmという長距離を走る過酷なレースです。3時間、4時間と長時間走り続けることから、体への負担もとても大きくなります。
体重が多いとその負担はより大きく、膝の故障に繋がりやすいといわれています。
ケガや故障を避けるためにも、マラソンにおける体重管理はとても大切なのです。
マラソン選手としての適正体重とは?
これらのことから、マラソン選手としての適正体重を考えてみましょう。
長く走る、速く走るために、ある程度体重を落とすことはとてもよい考えです。しかし、同時にマラソンを楽しむために健康でなければなりません。
肥満でもなく、やせすぎでもない、標準的な体重は保ちましょう。標準体重の中で、足腰に負担がかからないスリムよりな体系を目指したいものです。
BMIでいうと、18.5~25に収まり、その中で一般の標準体重の基準である22より少なめの数値が、理想的ではないでしょうか。
体脂肪を落とすと同時に、筋肉をしっかりつけることを念頭におき、無理のない体重管理を行いましょう。カロリーに気を付けながらも、バランスのとれた食事も大切です。
まとめ:体重管理を制すものは、マラソンタイムも制す!!
多くのトップランナーは細身でやせ型。長い距離を長時間にわたって走り抜くマラソンは、特に体重の影響を受けやすいレースです。
上手な体重管理を行い、健康的かつ重すぎない体形をキープできれば、タイムも向上、ケガもしにくいマラソンライフを楽しめますので、ぜひこの機会にご自身の体重と向き合ってみましょう^^
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