
いつまでたってもランニング初心者の鳥北です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
さて、ランニングを始めるきっかけは人それぞれですが、みなさんのきっかけはなんでしょうか?やはり、多いのはダイエットでしょうか?「ダイエットの神が下りてきたーっ」というやつですね。
でも、実際、ランニングってダイエットにどれくらいの効果があるのでしょうか?
今回はダイエットで重要な消費カロリーについて焦点を当ててみましょう。ランニングでどれくらいのカロリーが消費されるのでしょうか?
スロージョギングの消費カロリー計算方法もご紹介します。
目次
1kmランニングしたときの消費カロリーは?
なぜ、体を動かさないと太ってしまうのか、どうして運動するとやせるのか、その仕組みをおさらいしておきましょう。
よく、カロリーコントロールが大事だとか、「アンダーカロリ-」の状態をつくるなどといわれますが、みなさん、「カロリー」と体重の関係をきちんと理解していますか?
カロリーってなんだ?
人は生きていくためにカロリーを消費しています。心臓や肺を動かしたり、頭を使ったり、もちろん、歩いたり走ったりするのに必要なエネルギーがカロリーです。
そして、そのエネルギーは食べ物から得られます。
そして、カロリーが足りなくなると、お腹がすいて動けなくなりますし、カロリーを取り過ぎると、カロリーが余って体脂肪として蓄えられてしまいます。それが、余計な贅肉というわけですね。
ちなみに体脂肪1キロを減らすのに必要なエネルギーは7200キロカロリー。ですから、食べた以上に7200キロカロリー分、余分に体を動かせば、体重を1キロ減らせるというわけです。
カロリーはどのように消費される?
一口でカロリーを消費すると言いますが、先ほども言った通り、カロリーを消費するのは何も運動するときだけではありません。
人はじっと、座っていてもカロリーを消費しています。なぜなら、心臓や肺などの内臓を動かし、体温の保つためにエネルギーが必要だからです。こういう生命を維持するために最小限必要なエネルギーを基礎代謝と言いますね。
学校の保健体育や生物の時間を思い出してくださいよ。
基礎代謝量は人の体格によって異なるのですが、だいたい人が1日に使うエネルギーを1とすると、60%が基礎代謝だそうです。残り40%のうち、日常生活や運動などで消費するのが30%。残り10%は食事で取り込んだ栄養を分解するためのエネルギーです。
だから、ダイエットするには、筋肉を増やして体を大きくして基礎代謝量を増やすか、運動してエネルギーを消耗するしかないんですね。筋肉を増やすのも、結局は運動するしかないので、やはりダイエットには運動しかないということです。
まあ、食事量を減らせば、カロリー摂取量は減りますが、お腹がペコペコになるのでやめましょうね。
もちろん、1日どんぶり5杯食べている人がどんぶり1杯にするとか、テレビを見ながらポテチを食べるのをやめるというのは大切ですが。
消費カロリーの計算方法は?
食べた以上に、カロリーを消費する。これがダイエットの基本です。
では、運動したときのカロリーって、どうすれば分かるのでしょか?食べた物のカロリーっていうのは、調べればだいたい分かりますよね。スーパーなどで買ってきた調理済みの食品であれば、ラベルに書いてありますし。
では、消費するカロリーはどうやって計算したらいいのでしょうか。
実は、これには、すでに計算式があります。
消費カロリー(Kcal)=1.05×メッツ×時間×体重(kg)
ハイ、これで簡単に計算することができますね。
え?これではできない?「メッツ」ってなんだ?
そうでした。「メッツ」ですね。
メッツ(MET: metabolic equivalent)というのは運動強度(運動の強さ)のことです。
一応、こういう説明となっています。
運動強度(運動の強さ)は、体重1kgあたりに身体に取り込まれる酸素の量が指標とされますが、酸素の量はわかりづらいため、メッツ(MET: metabolic equivalent)という単位が使われます。
メッツとは、安静時の酸素摂取量3.5ml/kg/分を1としたときに、その運動で何倍のエネルギーを消費できたかで運動強度を示した単位です。
例えば、テレビを座ってみることや車に乗ることは1.0メッツ、座って会話や食事、デスクワークは1.5メッツ、料理や洗濯、着替え、洗面、シャワー、家の中を歩くなどは2.0メッツ、ウォーキングや掃除は3.0メッツ、卓球やラジオ体操第1は4.0メッツ、バドミントン、ゴルフは4.3メッツ、野球やソフトボールは5.0メッツ、ウエイトトレーニングやスイミング、バスケットボールは6.0メッツ、山登りは6.5メッツ、サイクリングや重い荷物の運搬は8.0メッツ、柔道、柔術、空手などの武道・武術は10.0メッツです。
出典:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」運動強度とエネルギー消費量
厚生労働省が検討会の資料として作成したメッツの表には他にもいろいろなメッツが算出されているので、興味のある方は調べてみてください。
これがあれば、どのような運動をすれば、どのくらいのカロリーが消費されるかわかりますね。
で、1kmのランニングの消費カロリーは?
もちろん、先ほど紹介したメッツを使った計算式でも算出できるのですが、実はですね、時速約10キロでランニングしたときのメッツはちょうど10になっています。先ほどの表では、分速161メートルですね。
ということは、「メッツ×時間」は「時速×時間」とほぼ同じ。つまり。「メッツ×時間」は「距離」ということになります。
ですから、時速10キロのペースのランニングでは、「自分の体重(kg)×走った距離(km)」で、だいたいの消費カロリーを出すことができます。
まあ、これはあくまでも目安なので、きっちり計算したい方はメッツを使って計算をしてください。「だいたいでいいや」という方は、「自分の体重(kg)×走った距離(km)」が消費カロリーと覚えておけば便利です。
ですから、体重50kgの人が1kmランニングをしたときの消費カロリーは50キロカロリー、80kgの人が1kmランニングをした時の消費カロリーは80キロカロリーというわけです。全然簡単ですね。
消費カロリー以外にもダイエットには大切なことが
消費カロリーの計算から分かることは、距離を長く走れば走るほど、消費カロリーが大きくなるということです。
だからといって、むやみに走っても、体を壊すだけ。無理をしてはいけません。
無理なくダイエットするには、カロリーの消費量以外にも大切なことがあり、効率的に消費する方法もあります。効果的なダイエット方法についても紹介しましょう。
距離よりも走り方が重要
先ほど、時速10キロで走れば、「体重×距離」で消費カロリーが分かると説明しましたが、実は初心者にとっては、時速10キロというペースは少し速いペースです。
ダイエットでランニングを始める人は、もう少しペースを落として走ったほうがいいでしょう。
でも、ゆっくり走ったからといって、効果が落ちるわけではありません。むしろ、ゆっくり走ったほうが、ダイエットの効果があるともいわれます。
同じ距離を走るにしても、早く走るより、ゆっくり走ったほうが、ダイエット効果が高いというのです。
これは福岡大学スポーツ科学部教授だった田中 宏暁さんの研究です。田中さんは、ゆっくり長く走ったほうが、脂肪を効率よく燃焼させられるとして、「スロージョギング」を提唱しました。スロージョギングとは、時速3~6キロメートル程度のゆっくりとしたペースで走ることです。このスピードはウォーキングと変わりません。
つまり、歩くようなスピードで走るのがスロージョギングです。
田中さんによると、1キロメートルを走ったときのエネルギー消費量は、時速7キロメートル以上のランニングでも、スロージョギングでも、体重1キログラムあたり約1キロカロリーで変わらないそうです。
残念ながら、田中さんは2018年に亡くなられましたが、興味のある方はぜひ、田中さんの著書を読んでみてください。
ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング (ブルーバックス)
田中 宏暁著 https://books.rakuten.co.jp/rb/14649273/
話が少し脱線しましたが、要するにダイエットが目的なら、走る距離よりも走り方が重要。もちろん、「ダイエットも大切だけど、速く走れるようになりたい」という方もいるでしょう。ですから、みなさんの目的や体力に合わせて、走る距離や速度を決めることが大切です。
くれぐれも無理は禁物ですよ。
ランニングダイエットのための食事も工夫しよう
ダイエットするということは、単純に言えば、食事で得たカロリーよりも多くのカロリーを消費するということです。そうすれば、蓄えられた体脂肪がエネルギーとして消耗され、やせることができます。
だからといって、食事を取らずにひたすら走っていると、当然、体を壊してしまいますし、走った後に食べ過ぎてもランニングの意味がありません。
効率的にダイエットするには、食事にも気を使う必要があります。
食事については、ぜひ、この看護師ランナーさんの記事をよんでみてください。
ランニング以外に消費カロリーを増やす秘訣
ランニングは、ダイエットに効果的な運動ですが、ほかの運動と組み合わせることで、ダイエット効果も高まります。
運動によって、鍛えられる筋肉も違いますから、全身の筋肉を鍛えることで、体力もつき、より楽に走れるようになるでしょう。
また、筋肉が増えれば基礎代謝量も増加して、1日のカロリー消費量も増えます。
ジムで水泳やエアロビクスなど、ランニング以外の運動をするのもいいですし、日常生活でできるだけ車を使わず、徒歩や自転車で買い物にいくというのもいいでしょう。
特にランニングは、筋トレと組みあわせるといいとも言われます。次のような記事も参考に、筋トレにも取り組んでみてください。
マラソンに必要な7つの部位を鍛える、おすすめの2つの筋トレメニュー
日常生活でも一工夫を
別に、ジムやスポーツクラブなどに行かなくても、日常生活の中でもカロリーを消費し、筋肉を鍛えることはできます。
人は生きていくうえで、常にカロリーを消費しています。呼吸をして体温を維持しているだけでカロリーを消費していますし、日常生活で立ったり座ったり、家事をしたり、通勤したりしているときもカロリーを消費します。
ですから、運動をしなくても、筋肉を増やせば消費カロリーは増えるし、家事の最中にちょっとした運動を取り入れるだけで、ダイエットにつながります。
特に、運動以外の日常生活で消費されるエネルギーのことを「NEAT」といいます。英語のNon-Exercise-Activity Thermogenesisの略で、日本語に訳すと「非運動性熱産生」というそうです。
NEATに当てはまる日常活動には、仕事のほか、洗濯・掃除・料理・ゴミ出しといった家事が含まれます。また、犬の散歩や子供の世話、幼稚園への送り迎えというのもそうですし、買い物に出かけたときや通勤時の階段の上り下りも当てはまります。
そして、NEATを増やすには、座っているより立っている時間を増やすのがいいとのこと。
次のグラフを見てください。1日のうち、座っているよりも立って活動している時間が長い人のほうが、肥満になりにくいことが分かります。
農作業や肉体労働など、立って動くことが多い人のほうがNEATも増えるということですね。
ですから、最近ではデスクワークの人も健康的に働こうと、立ったまま仕事ができるデスクが人気なんだそうです。日本でも導入する会社が増えてきましたが、海外では北欧を中心に既に積極的に取り組んでいる会社が多いのだとか。
立って仕事ができるよう電動昇降機能の付いたデスクをスウェーデンの企業が開発し、多くの企業が導入していますが、そのデスクの名は「NEAT」というそうです。
日本の企業では、まだまだ座って仕事をすることが多いでしょうが、休憩時間に少し遠くのトイレまで歩いたり、エレベーターを使わずに階段を積極的に利用したりして、立ったり歩いたりする時間を増やすだけでも、より多くのエネルギーを消費することができます。
また、階段を1段飛ばしで上ってみたり、立ったときにちょっと背伸びをしたり、日常生活で少し負荷をかけるだけでもエレルギーの消費量は変わります。
ぜひ、日常生活に取り入れてみてください。
さまざまな工夫でカロリー消費量を増やそう
食事の量を増やさずに、カロリーの消費量を増やせば、必ずダイエットはできます。問題は、いかに運動でカロリーの消費量を増やすかです。
ランニングは走る距離を伸ばせば、その分、消費カロリーが増えるので、気軽に始められてダイエット効果も予測しやすい運動だといえるでしょう。
しかし、効果をさらにあげるには、走り方を考え、他のトレーニングと組み合わせることも大切です。
どうか、自分にとってやりやすい方法を選んでランニングに取り組み、楽しくダイエットに挑戦してください。
痩せるための、ランニングと消費カロリーの関係を解説しています!