
ランニング人気が高まり、老若男女多くのランナーが見られる中、ランニングをすると老けるのでは?と躊躇する人も多いようです。
ランニングをすると老けるという噂は果たして本当でしょうか?
今回は、ランニングが老化の原因となるのか?そして、老けないランニング法も併せてお伝えしていきます。
目次
ランニングで老けるのは活性酸素が原因?
「活性酸素」という言葉を聞いたことがありますよね。
ランニングをすると老けるという噂の陰には、この「活性酸素」の存在が見え隠れしているようです。
この活性酸素とは一体何ものなのでしょうか???
私たちが食事により摂取した栄養素は、体の中で分解されてエネルギーとなることはご存知かと思います。
このエネルギーの基となる栄養素は主に、
1.糖質からできたグリコーゲン
2.脂肪からできた脂肪酸
の二つです。
これらの栄養素がさらに分解され、その過程で生産される「アデノシン三リン酸」が、実質的なエネルギーとなるものです。
この分解が行われる場所が細胞内の「ミトコンドリア」。細胞内に存在する小器官の一つです。
「ミトコンドリアはエネルギーを作り出す重要なカギ」と言っても過言ではありません。
さて、この「アデノシン三リン酸」発生を伴う分解反応には、大量の酸素が必要です。酸素を使ってグリコーゲンや脂肪酸を分解しているのです。
この分解反応では、様々な「分子」の間で「電子」のやりとりが行われているのですが、酸素も自分の持つ「電子」を他の「分子」に受け渡しており、不安定な状態になっています。
この不安定な状態になった酸素が、活性酸素です。
「分子」「電子」など、少しややこしいので説明します!
まず、私たちの体は小さな細胞の集まりです。一つひとつの細胞は、さらに小さな「分子」から成り立っています。
この「分子」とは例えば、水、脂肪、ミネラル、タンパク質などの成分のことです。
また、これら一つひとつの「分子」は、さらに小さな「原子」からできているのです。例えば、
水=H2O
の「H2O」は「分子」で、「H」と「O」は「原子」です。
つまり、私たちの体の大元は、小さな原子の集まりなのですね。
「原子」は、プラス性質の原子核と、マイナス性質の「電子」で構成されています。
電子は、2個ずつがペアとなることで原子自体の安定を保っていますが、中にはペアを持たない電子もあります。
ペアとなる電子がいない電子を「不対電子」と呼びます。
「不対電子」を持つ原子は不安定です。
そのため、なんとか安定した状態になろうと、余分な電子を放出したり、ペアとなり得る電子を他の「分子=成分」から奪い取ろうとするのです。
前述の不安定な状態の酸素とは、「不対電子」をいくつも持つ酸素のこと。
不安定で、他の成分から電子を奪い取ろう!とやっきになっているのが、活性酸素なのです。
そのため、元の姿である酸素に比べて、他の物質を酸化させる力が圧倒的に強いという特徴があります。
活性酸素は老化を進めるといわれる理由
活性酸素は、電子の一つが奪われた不安定な酸素が、強い酸化力を持った物質として変化したものです。
この不安定な状態を安定させようと、他の物質から次々と電子を奪っていきます。
そして、電子を奪われた物質は、酸化した状態となってしまいます。
そのため、活性酸素が過剰生成されると、血管、筋肉、骨、脳など様々な細胞の酸化が進みます。
酸化とは、まさに錆びた状態。細胞が錆びてしまい、老化現象など様々な弊害を引き起こす原因になるのです。
例えば、
・シミ・シワ・吹き出物など肌トラブル
・糖尿病・動脈硬化・がんなど生活習慣病
・免疫力低下
・全身の疲労感
などの現象です。これが、「活性酸素は老化の原因となる」と言われる所以です。
適度の活性酸素は必要
しかし、私たちの体はうまくできており、活性酸素を除去する酵素や抗酸化剤により活性酸素を消去するというシステムがあります。
これを、ストレスの防御系と呼びます。
これにより通常は生成と消去のバランスが保たれています。
また、活性酸素により得られるメリットもあります。
上記で記したように、活性酸素は体内細胞を酸化させる強い力を持っています。しかしながら、この活性酸素のマイナス的要素は、私たちの体内でプラスに働くことがあります。
例えば、体内に侵入してきた細菌を殺す白血球の働きです。白血球が細菌を捕獲して殺す時、多くの酸素を必要とします。
これは、酸素から活性酸素を作り出し、その強力な力で、細菌を破壊するため。活性酸素が、私たちの体を守ってくれているわけなのです。
ランニングやマラソンで活性酸素が発生するのか
さて、ここでランニングと活性酸素の関係を考えてみましょう。
ランニングをすると本当に活性酸素が増えてしまうのでしょうか?
答えはYESです。
私たちは日々の生活の中、当然のことながら呼吸をしていますので、酸素を取り込んでいます。
そして、安静時でも取り込んだ酸素の約2~3%は活性酸素に変化しています。
運動をした時には、通常とくらべ単純に呼吸量が増し、取り入れる酸素量が増えます。
さらに、運動による体温上昇により活性酸素変換率が上がり、5~8%が活性酸素になるといわれています。
ランニング時も同じ。
軽いランニングでも通常より呼吸量があがりより多くの酸素を取り入れていますので、活性酸素の量も増えているといえるでしょう。
趣味や健康目的レベルのランニングでは老けない!
そうなると、
「ランニングをすると老化する」
という方式が成り立つように考えがちですね。
しかし、大切なのは、「活性酸素の生成と消去のバランス」です。
前述したように、通常の生活でも活性酸素は生成されていますが、同時にそれを消去する酵素や抗酸化物質も生成されており、バランスがとれています。
一般の人が趣味や健康のために楽しむランニングのレベルでは、このバランスが崩れるほどの活性酸素が生成されることはまずありません。
したがって、老化を急激に進めるような悪影響はないといわれています。
プロのマラソンランナーなど、ハードな走り込みを続けた時、息が切れるほど激しいトレーニングを長時間行っている時には、活性酸素が過剰発生する可能性があります。
食生活を見直してパフォーマンスアップ
ランニングによる老化の心配はないということで、ほっとしたところですが、ラン二ングにおいて活性酸素対策は大切です。
それは、活性酸素が老化を進めるためではなく、活性酸素がパフォーマンスを下げる可能性があるからです!
活性酸素が体内にたまると、疲労感を強く感じたり、回復に時間がかかります。
そこで、活性酸素対策を行うことで、すばやい疲労回復を図ることができます。
特に、体内で生成される抗酸化物質は、年齢とともに減少するといわれていますので、この抗酸化物質を生成しやすい体質を保つことがとても重要です。
そのため食生活を見直し、抗酸化作用の高い食材を意識して摂るとよいでしょう。
抗酸化作用の高い成分として、
・ビタミンC
・ビタミンE
・ポリフェノール
等が知られています。
柑橘類、ニンジンなど緑黄色野菜、プルーン、ブルーベリー、アボカド、ナッツ類など、抗酸化作用の高い食材を摂取しましょう。
逆に、酸化しやすい食材は、脂質が高いものや加工食品。ハム、マーガリン、スナック菓子、ファストフードなどは、なるべく避けたいですね。
サプリメントもおすすめ
栄養バランスのとれた食事が一番ですが、忙しくて準備がままならない時など、サプリメントでの栄養補給も一案です。
ビタミン類、ミネラル類、ポリフェノール様々な種類が出回っています。
また、特に抗酸化作用が高いと話題になっている「アスタキサンチン」という成分のサプリメントもあります。
アスタキサンチンはビタミンCの6,000倍の抗酸化作用があるといわれ、プロのランナーも注目しているもの。
ビタミンCと調合されたものなど、通販で手に入れることができます。
アスタリールACT2
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その他の活性酸素対策
紫外線
過剰な紫外線は活性酸素を生成させる大きな要因となります。
強い日光を浴び続けたらとても疲れた・・・という経験があると思いますが、これは活性酸素が原因。夏は、日焼け止め、帽子、サングラスなど、紫外線対策が必須です。
ストレス
ストレスは、活性酸素を増やす原因の一つです。
現代社会においてストレスを感じない人は少ないものですが、できるだけ溜め込まないよう、趣味を楽しむ、リラックスした時間を過ごすなど、自分なりのストレス解消法をみつけることが大切です。
たばこ
ランニングに限らず、たばこは、どんなスポーツ選手にも大敵。タバコを吸うと疲れやすくなる理由こそが、活性酸素です。たばこを吸っている人は、禁煙にはげみ、活性酸素の発生を抑えましょう。
活性酸素対策で、老けないランニングを楽しもう!
「気持よく走るランニングが好き」
「ランニングで健康を維持したい」
そのような方は、安心してランニングを続けてください。一般的なランニングで老けることはありません!
さらに、活性酸素対策を意識すれば、よりパフォーマンスの高いランニングを楽しむことができますよ。
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