持久走での腕の振り方は?ランナーが必ず意識すべき4つのポイント

持久走での腕の振り方は?ランナーが必ず意識すべき4つのポイント
2022年12月14日 編集部ランスマ

この記事をご覧になっているということは、おそらく

「ランニングの時に、腕ってどうやって振ればいいの?」

「ランニングの時の正しい腕振りが知りたい」

「腕振りの良し悪しがわからない」

といったお悩みを抱えられていると思います。

 

持久走の正しい腕の振り方について検索すると、いろんな情報がいっぱい出てきますよね。

そんな時に、どういった腕振りが正しいのか、どんな振り方が自分に合っているのか、とても悩まれると思います。

でも、持久走の腕の振り方は、その人の癖や、心地よさと言った個人的な要因でタイプが分かれるので

 

「これが絶対正解だ!」

 

というものがないので、難しいところではあるんです。

しかし、ランニングの腕振りにも、疲労が少なくて効率の良い理にかなった正しい方法があります。

この記事では、持久走の腕の振り方について、ご紹介していきます。

 

あなたは当てはまる?ランニングでよくある間違った腕振りとは?

ランニングの腕の振り方には

 

・腕を大きく振る

・腕を横に振る

・肩を振る

・肩甲骨を寄せる

 

といった様々な方法や、体の使い方があります。

 

一見、どれもランニングに影響が無さそうなものばかりですよね。

 

しかし!

 

単刀直入にお伝えしますが、これらは避けた方がベターです。

 

もちろん、スピードを加速させる、といった目的で使われるものもありますが

 

「いかに長い距離を、効率よく、ペースを崩さずに走りきるか?」

 

といった長距離の世界では、無駄なエネルギーを消費しないことが何よりも大切です。

 

ここで、上記の誤った腕振りについてそれぞれ簡単に説明していきますね。

 

 

その1:腕を大きく横に振る

 

腕を大きく振ることで、推進力が生まれます。

 

例えば、短距離の選手なんかを見ると力強く腕を前後に振っていますよね。

 

でも、長距離の場合は

 

・長い時間、腕を振り続ける

・足を前に出し続けるためにリズムよく腕を振る

 

といったことが求められますので、大きく、力強く腕を振っていたら、腕回りをはじめ、上半身がすぐに疲れてしまいます。

 

腕を振る時は、力まずにリラックスすることが肝心です。

 

その2:腕を横に振る

 

腕を横に振ってしまうと上半身がブレてしまいます。

 

試しに、その場で腕を横に振りながら足踏みをしてみてください。

 

やっていただければお分りいただけると思うのですが、肩が左右にブレますよね?

 

そのブレが、無駄なエネルギーロスに繋がってしまいますので、これは効率的な走りとは言えません。

 

簡単にいうと、車で真っ直ぐ進みながらブレーキを踏んでいるようなもの。

 

スピードを出したいのに上半身の軸が左右にブレてしまうので力が分散されてしまう、前に進む力を最大限に活かせないんです。

 

 

その3:肩を振る

 

肩を振ることも、腕を横に振るのと同じように、無駄なエネルギーロスに繋がってしまいます。肩を振ると、前に進んでいるような気もしますが、体の軸はブレブレです。。

 

また、肩を振ってしまう人は、背中が丸まって猫背になりやすくなりがちです。

 

特に、長距離の大会の後半戦は、体に疲労が溜まってきて、体を支える体幹の力が弱まってきます。その時に姿勢も崩れやすくなり、結果的に猫背のようなフォームになってしまうのです。

 

猫背になると、肩が内側に入ってしまい、胸も縮こまってしまいます。

 

そうなると、呼吸が浅くなり、一度に取り込める酸素の量も減りますので体が酸欠を起こしやすくなります。

 

ちなみに、こちらの記事では、ランナーのための正しい呼吸法をまとめていますので、併せてチェックしておいて下さいね。

 

【リズムで覚える!?】初心者ランナー必見!苦しい時の呼吸法を検証してみた結果……

 

 

その4:肩甲骨を寄せる

 

もし、あなたがランニングの腕振りについて色々な情報をリサーチしたのなら

 

「ランニングの腕振りは肩甲骨を意識する」

 

といった情報を、どこかで見たことがあるかもしれません。

 

実はコレ、合っているとも、間違っているとも言えます。

 

「え?どっちなの?」と思われたかもしれませんね。

 

確かに、肩甲骨を意識することはランニングで正しいフォームを身につけるためには、とても大切なことです。

 

以下の記事でも、肩甲骨がランニングフォームにどのような良い影響を及ぼすのか、詳しく説明しています。

【前編】ランニングフォームを矯正しよう③効率の良いフォームを作るには肩甲骨を意識しよう!

【後編】ランニングフォームを矯正しよう③効率の良いフォームを作るには肩甲骨を意識しよう!

 

記事でもお伝えしていますが、肩甲骨を「寄せる」ことだけにフォーカスしてしまうと、疲れやすくて前に進みづらい、非効率なランニングになってしまいます。

 

また、肩甲骨周りの筋肉が硬い場合は、背中や肩周りの筋肉が強張ってしまい、疲労につながってしまいます。これではリラックスした、効率の良い走りは期待できませんよね。

 

ちなみに、肩甲骨周りが柔らかければ、肩甲骨は正しく動かせるようになります。そして、ランニングで腕を引いた時も、自然と肩甲骨が寄るようになります。

 

なぜ、ランニングで正しい腕振りが重要なのか?

重要とは言っても「ランニングは腕振りがすべて」という訳ではありません。

 

腕振りはあくまで、効率の良いランニングをサポートするためのもの。つまり二次的なものです。簡単にいうと、カレーに付いている、福神漬けみたいなものか、くらいに思ってもらえれば大丈夫です。

 

とは言え、腕の振り方がランニングの質を左右する要因の1つであれば、正しい方法を身につけたほうがベターだと思いませんか?

 

特に、ハーフマラソンやフルマラソンといった長距離の大会では、正しい腕の振り方が体力温存に大きく関わってきますから、少しでもタイムを縮めたい場合は、なおさら自分の腕の振り方をチェックすべきだと思います。

 

ランニングインストラクターで、シドニーオリンピック(2000年開催)出場選手の指導もされていた斉藤太郎さんも

 

マラソンレース終盤にペースを落とさずに走り切るにはどうすればいいでしょうか。前半に飛ばしすぎないといったペース配分に気を付けるのも大事ですが、力強い脚運びをキープするカギは腕振りにあるといえます。

引用元:日本経済新聞

タイトル:マラソン終盤の粘り、柔らかな腕振りが支える

URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO83637470V20C15A2000000/

と言っています。

 

レース終盤になってきた時に粘るためには、いかに正しく腕が振れているのかがポイントなんですね。

 

正しく腕振りができると得られる3つのメリット

腕振りがもたらすメリットは、意外とたくさんあるんです。それぞれチェックしてきましょう。

 

その1:フォームが安定するから、疲労が出にくい

 

上半身のブレが少ないので、効率よくランニングをすることができます。

 

また、背中、肩周りの筋肉の力みが少なくなり、無駄なエネルギーを消費せずに済みます。

 

胸が開くから、呼吸が楽になる

 

正しい腕の振り方を身につけると、背筋が伸びて姿勢が綺麗になります。そうすると胸が開くようになるので、一度に取り込む空気の量が増えます。

 

体力温存に繋がるから、タイムが伸びる可能性もある

 

先ほど、レース終盤までペースを崩さずに走り切るためにも、腕振りが大事であることをお伝えしました。ということは、終盤まで粘れることで、タイムが縮まる可能性もあります。

 

自己ベスト更新を目指している方は、腕の振り方にもフォーカスしたほうが良さそうですね。

 

正しい腕振りのために意識すべき3つのこと

それではさっそく、正しい腕振りをお伝えします。まず、正しい腕の振り方で意識すべきは以下の3つです。

 

・姿勢

・肘を肘を90°以下に曲げる

・手は卵を掴むように軽く握る

 

それぞれチェックしてきましょう!

 

姿勢

 

まずは、姿勢を整えるところから始めます。

 

正しい腕の振りは、正しいランニングフォームから生まれます。

 

以下の記事で、正しいフォームを説明していますので

下記の解説を読む前に、必ずチェックをしておいてくださいね。

 

ランニングフォームを矯正しよう①効率の良いフォームになるには骨盤を意識することが重要!

 

肘の角度を90°以下に曲げる

 

肘の角度は、以下の画像のように、90°以下を心がけてください。

肘の角度を小さくすると、その分腕を素早く、リズム良く振ることができます。

 

逆に、肘の角度が大きいと、腕の振りはばが大きくなってしまうため、推進力は出るものの、上半身がブレやすくなります。

 

そして、肩回りをはじめとする筋肉も疲れやすくなります。

 

無駄なエネルギーロスを少なくするためにも、肘の角度は90°以下に保ちましょう。

 

この時の注意すべきことは、肩が上がってしまわないようにリラックスすること。

 

肘を曲げた時に、肩も同時に上がってしまう人が少なからずいます。

 

ステップ1で作った姿勢を崩さずに、スッと肘だけ曲げるように意識してみてください。

 

また、この時はまだ拳を握らず、パーのままにしておいてくださいね。

 

卵を軽く握るように拳を握る

 

腕を振る時は、卵を軽く握るように拳を握りましょう。イメージとしてはこんな感じです。卵を優しく握ってみました。

「腕振りに拳の握り方って関係あるの?」と思うかもしれませんが、実は大アリです。

 

実際に、ステップ1と2で作った腕振りのフォームを保ちながら、拳をギュッと握ってみてください。そうすると腕や肩に力が入る感覚が分かると思います。

 

力をずっと入れ続けていて走っていたら、筋肉も疲れてきますよね。

 

重要なのは「リラックス」すること。余計な力は入れないことがポイントです。

 

 

肘と腕を振る方向を意識

 

腕振りの正しいフォームができたら、今度は腕を振ってみましょう。その時のポイントは

 

・肘を軽く後ろに引く

・進行方向と平行に腕を降る

 

ことです。

 

腕は前に上げすぎても、後ろに引きすぎてもいけません。「腕を振る」というよりも、「肘を引く」という意識を持って行うと、肩周りもリラックスできると思います。

 

また、進行方向と平行に、まっすぐ腕を振ることで、体の力を分散させずに、効率よく前に進むことができます。

 

正しい腕振りを身につける方法

ここでは正しい腕の振り方を身につけるためのストレッチとトレーニング、筆者のおすすめグッズをご紹介します。

 

柔軟性を身につけるためストレッチ

 

先ほど、正しい腕振りの3つのポイント

 

・姿勢

・肘を90°以下に曲げる

・卵を軽く握るように拳を握る

・肘と腕を振る方向を意識

 

をご紹介しました。

 

でももし、あなたの上半身の筋肉に柔軟性がなければ、変なところに力が入ってしまったり、筋肉が疲れやすくなる可能性があります。

 

そうならないようにするためにも、背中~肩~胸といった上半身の筋肉に、柔軟性が必要なんです。

 

以下の部位に柔軟性があると、ランニング中の姿勢も改善され、正しく腕が触れるようになります。

 

・体の背中側、お尻、太ももの裏

・肩甲骨周りの筋肉

・肩周りの筋肉

・胸筋

 

これらの正しいストレッチ方法は、以下の動画でまとめて行うことができます。ぜひ参考にしてくださいね。

 

私もこのストレッチを毎日やっているのですが、ランニング中の疲労が大幅に減っただけでなく、悩みの種であった肩こりまで改善できちゃいました。

 

正しい腕振りを身につけるためのトレーニング

上記の動画で柔軟性を身につけたら、筋力をアップさせて、筋肉にスタミナをつけていきましょう。

 

早速こちらの動画をご覧ください。

 

 

腕振り矯正アイテム「e3グリップ」

 

握って走るだけで、正しい腕の振り方を習得できるマル秘アイテムをご紹介します。

 

それは、大手スポーツメーカーのNISHIが開発した「e3グリップ」です。

一見、おもちゃみたいに見えますが、ランナーの間では広く使われているようです。

 

私自身も、このe3グリップを使っていたのですが、脇のしまった、力みの無い腕振りを身につけることができました。

 

 

 

 

 

まとめ:正しい腕振りを身につけて、ランニングの効率をアップしよう

ランニングの正しい腕振りをご紹介しましたが、いかがでしたか?

 

もう一度まとめると

 

・姿勢

・肘を肘を90°以下に曲げる

・手は卵を掴むように軽く握る

・肘と腕を振る方向を意識

 

がポイントでしたね。

 

このポイントを押さえると、余計な力の入らない、リラックスした正しい腕振りをすることができます。

また、腕の動かし方はもちろん、筋肉の柔軟性・筋力にも目を向けることで、ランニングの質も変わってきます。

 

ランニングは腕振りが全てでは無いですが、正しい腕振りを身につけることで、ランニング中の疲労を軽減したり、マラソンのタイムが縮むことに繋がったりと、様々なメリットをもたらしてくれます。

 

ぜひ、今日から早速試してみてくださいね!

 

正しい腕振りを身につけたら、こちらのトレーニング方法もチェックしてみてくださいね。

【ジムトレーニング】正しいランニングフォームの矯正に必要な筋肉トレーニング5選

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