
ランニング人口は増加の一途をたどっていますが、その理由は、ランニングが健康にいいという漠然としたイメージが大きく影響しているかと思います。
イメージに後押しされてランニングを始めた方は大正解!なぜならランニングこそが、心も体も健康になるためのカギだからです。
でも、なぜ心身ともに健康になれるのか分からずに、ランニングをしている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ランニングで健康になれる5つの理由をご紹介します。
目次
有酸素運動の代表格・ランニング
ランニングは、有酸素運動の代表格。
また、有酸素運動とは、酸素を取り入れながら長く行う運動です。
「運動のためのエネルギー確保に、酸素が必要」であるため、このように呼ばれています。
人が運動を継続するためにはエネルギーを必要としますが、そのエネルギーとなる栄養素には、糖質と脂肪があります。
糖質は、食事でとった炭水化物が分解されて出来たもので、
・即エネルギーとして使われるもの
・グリコーゲンとして肝臓に蓄えられるもの
・過剰摂取により脂肪となって体脂肪として蓄えられるもの
といった3つに分けられます。
運動エネルギーを確保するとき、まずは、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが使われます。
ただし、グリコーゲンがそのままエネルギーとなるわけではありません。グリコーゲンを二酸化炭素と水に分解し、その過程で作り出される「アデノシン三リン酸(ATP)」をエネルギーとするのです。
ところが、肝臓に貯蓄されているグリコーゲンの量には限りがあるので、長時間運動が続くとエネルギー不足に陥ります。
そうなると、体は、体脂肪からのエネルギー確保に切り替えていくのです。
体脂肪からのエネルギーの確保とは、体脂肪を分解し、その過程で「アデノシン三リン酸」を生産することを意味します。
そして、この脂肪の分解には、大量の酸素が必要とされます。
つまり、「大量の酸素を使って脂肪を分解する」ことにより、エネルギーを確保して行われる運動が、「有酸素運動」であるのです。
体脂肪は一定量以上が蓄えられていますので、酸素が供給される限りは尽きることがありません。そのため、長時間運動を続けることができるのです。
あなたがランニングで健康になれる5つの理由
①脳が若返るから
脳はいわば神経細胞の集まりのようなもので、この神経細胞の働きにより、私たちの記憶や判断など人間としての生活が成り立っています。
この脳の働きを活性化させる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質があるのですが、有酸素運動は、BDNFの分泌を促進するといわれています。
「ランニングが大嫌い」と言っている東京大学薬学部教授・脳科学者の池谷先生も、有酸素運動が脳を活性化させることを認めているようです。
有酸素運動をすると、「BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)=脳由来神経栄養因子」という物質も増えます。この物質が増えると神経細胞の活性が高まったり、血管が新しくできて、脳の血流が良くなり、脳の隅々まで血液が行きわたるようになる。これもランニングが知能を高めると言われるひとつの理由でしょう。
タイトル:脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは
引用元:Newspicks様
URL:https://newspicks.com/news/3197111/body/
このことから、
ランニングをする
→新しい神経細胞が生まれ、血液が脳内に十分いきわたる
→脳が若返り、記憶や学習など知能を高める
といったメリットがあるのですね。
また、有酸素運動を行うと、脳の前頭葉という部分の血流が増加することがわかっています。前頭葉は、理性的判断、感情の抑制、認知、選択、知性など、いわば人間らしさを司る大切な部分です。
ランニングなど有酸素運動は、前頭葉の活動も促進し、人間らしい知性を維持するためにもよい影響を与えるといえるでしょう。
②血液の循環がよくなるから
ランニングのように長時間運動をする時には、大量の酸素を取り入れています。これには心臓と肺が大きな役割を担っています。
吸い込んだ酸素は肺で血液中に吸収され、心臓の力で全身に送っているからです。
しかし、人の心拍数には上限がありますので、より多くの酸素を送るためには一度の心拍でより多くの血液を送る力が必要となってきます。
ランニングのような有酸素運動を続けると、血液をより多く排出するために、ポンプの働きをする心臓の筋肉が鍛えられ発達するというわけです。
これは、血液の循環をよくすることに繋がり、血行がよくなり肩凝りや冷え性の改善も期待できます。
③ダイエット効果があるから
ダイエット目的にランニングを始める人は多いでしょう。
有酸素運動であるランニングを行う時、体脂肪を燃焼することでエネルギーとしています。
運動中に取り入れた酸素を使って、体内に蓄積された体脂肪を分解していくため、余分な脂肪を消費することができます。
ランニングを長期的に継続していけば、皮下脂肪の消費にもつながり、ダイエット効果が期待できるでしょう。
ランニングでダイエットを成功させる情報をまとめた、こちらの記事もご覧くださいね。
【必読】ランニングでダイエットする人が絶対に押さえておくべき3つのポイント
④生活習慣病予防
有酸素運動では、体脂肪を分解してエネルギーとすることは上記で述べました。
体内に蓄積された余分な脂肪の中には、内臓脂肪もあります。内臓脂肪の蓄積は、高血糖、高血圧、動脈硬化など、様々な生活習慣病の原因とされています。
有酸素運動により余分な体脂肪や内臓脂肪を燃焼することで、その予防や改善に役立ちます。
脂肪燃焼に関しては、こちらも記事でも詳しく解説をしています^^
⑤ストレスが解消できるから
脳内や中枢神経には、感情と気分をコントロールする神経伝達物質「セロトニン」があります。
これは、怒りや攻撃性を抑え、ストレスを緩和し、精神を落ち着かせる働きを持つことから、「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンは、リズム運動により活性化される性質を持っています。そのため、一定リズムを刻むランニングによりその分泌が促進され、心身の安定、ストレス解消に役立つといわれています。
さらに、太陽の光もセロトニン分泌を助けます。お天気の良い日に外に出るだけで、気分が晴れ晴れしたという経験の裏には、このような裏付けがあったのかもしれません。
明るい日光を浴びながらのランニングは、より気持ちの良い清々しさを残してくれることでしょう。
また、セロトニンは夜になると眠りを促すメラトニンというホルモンに変化するという利点もあります。これにより、寝つきがよくなり、ぐっすりと質の高い睡眠が得られるという、ダブル効果も期待できます!
効果的なランニング方法:ペース・距離・時間について
自分のペースで週3日
何事もそうですが、ランニングもまずは継続が大切。
はじめから毎日と決めてしまうと、無理がたたって挫折しがちです。
無理をして嫌になってしまい、長続きしなければ効果は得られませんよね。なので、自分が気持ちよく楽しめるランニングから始めましょう。
ペースは、息があがったり苦しさを感じることなく、ラクに走れる自分のペースでOK。人と比べる必要はありません。
走る距離はあまり関係がありませんが、時間的にはまずは15分を目途に走ってみましょう。
頻度は週3日。有酸素運動の効果を十分に得るためには、週3日程度は続けたいところです。週1日や2日ではその効果が出にくくメリットが少ないといわれています。
ダイエット目的なら20分以上
ダイエットや習慣病予防を意識している場合は、20分以上走ることを目標としましょう。
これは、脂肪の燃焼と関係があります。ダイエットや習慣病予防のためのランニングは、体脂肪の燃焼が目的です。
しかし、ランニングを初めて最初の20分間のエネルギー源は、主に炭水化物(糖質)です。
そして20分を過ぎたころから、体脂肪が主なエネルギー源に替わるといわれています。そのため、体脂肪の燃焼目的なら、20分以上、30分くらいを目安に走るとよいのです。
脳の活性化には、新しいルートを走る
脳研究者の池谷裕二先生は、こんなことをおっしゃっています。
空間学習というのは、地図の学習だと思ってください。いつも同じコースを走るのは復習のようなものです。もちろん海馬は活性化されますが、毎回違うルートにしたり、初めての道を走るほうが、脳に新しい地図が加わって、より海馬が活性化されます。
タイトル:脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは
引用元:Newspicks様
URL:https://newspicks.com/news/3197111/body/
脳の活性化という面では、新しいルートを走ると効果が高いのですね。
神経細胞が生まれる海馬は、記憶や空間学習能力も司っています。そして、人の何気ない空間移動は、空間学習材料として海馬を活性化させています。
ランニングも、グランドなり河川敷なり空間移動をするため、海馬に学習情報を与え活性化を助けていますが、池谷先生によると、同じ道でも進む方向を変えるだけで効果が上がるのだそうです。
走っているだけで、脳も活性化できるなんて、まさに一石二鳥ですね^^
ランニングで脳と体の健康づくりを始めよう!

ランニングが健康に良い理由は、思った以上にたくさんありましたね。
ダイエットから心と身体の健康維持、更には脳の若返りまで、ランニング一つで万事OK。
誰でもどこでも、気軽に始められるランニングで、家族と、友人と、健康づくりに励んでみませんか。
ランニングと健康の理解が深まったら、次は栄養についてチェックしてみてくださいね。