
ランニングの心肺機能強化に効果的な、インターバル走について紹介します。
さて、「インターバル走」と聞いただけで、胸の辺りが苦しくなってきませんか?
多くの人が持つイメージが、きつい、苦しい、地獄のトレーニング、といったところだと思います。
まさにその通りですね。
意図的に筋肉や心肺機能に強烈な負荷をかけるわけですから、それはきついはずです。
そんなきついトレーニングをするのであれば、やはり得られる効果を把握し、正しい方法で効率的に行いたいところですよね。
ここではインターバル走の3つの効果、3つの代表的なメソッドに加え、成果を出すためのコツなどについて説明していきたいと思います。
目次
インターバル走ってどんな練習方法?
昔からあるメジャーな練習法なので、陸上選手でなくても、部活や体育の授業などでやった(やらされた)ことがあるという人は多いと思います。
インターバル走は、中距離をハイペースで走る「疾走」と、その半分程度の距離をジョグで繋ぐ「緩走」を、交互に行う練習法です。
走る距離は、200~1000m程度で、本数もさまざまです。
疾走の間でしっかりと休息を取るレペティショントレーニングと異なり、インターバル走では基本的にジョグでつなぎます。
ジョグではなく歩きでも良いのか、という点には賛否両論あるようです。
心肺機能に一定の回復を与えることが目的なので、歩きであればジョグよりも緩走時間を短くするなどすれば、成り立つと考えることができます。
インターバル走で最も重要なのはペース決めです。
具体的な距離やペース、本数などは具体的なメソッド(やり方)の紹介のところで見ていきます。
インターバル走を練習に取り入れることよる3つの効果
インターバル走を練習に取り入れることで得られる効果としては、以下の3点があげられます。
- 呼吸循環器系の強化
- 心肺機能の強化
- スピードの向上
以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう!
インターバル走で得られる効果1.呼吸循環器系の強化
具体的には、インターバル走を行うことによって最大酸素摂取量の向上が期待できます。
最大酸素摂取量というのは、単位時間あたりに、体内に取り込むことのできる酸素量を表す指標になります。
運動時に筋肉が収縮して力を発するには酸素を必要とします。
筋肉と酸素の関係は、エンジンとガソリンのような関係ですね。
酸素を効率的に取り込むことができなければ、筋肉は本来の仕事をすることができなくなってしまいます。
では呼吸循環器系が強化されて、最大酸素摂取量が向上すると、どんないいことがあるのでしょうか?
体内に取り込んだ酸素は、血流にのって各部位の筋肉に送られます。
最大酸素摂取量が向上すると、1回の心拍でたくさんの酸素が供給できるので、以前より少ない心拍で足りることになります。
長距離を走るときにも心拍数を低く保つことができるようになるのです。
そういったわけで持久系競技ではこの数値が重要視されています。
インターバル走で得られる効果2.心肺機能の強化
心肺機能も負荷をかけることで強化されます。
つまり心肺機能の筋トレみたいなものですね。
例えば心筋が強化されると、より楽に、より効率的に血液を体中に送り出せるようになります。
結果心臓への負担も減り、血液循環にまた好影響を与えます。
インターバル走では、心拍数を急激に上げて肺や心臓に負荷をかけたら、次にそれを和らげ、また急激に負荷をかけます。
一番つらいところを、あえて行ったり来たりさせているわけです。
かなりドSな練習法ですね。
インターバル走で得られる効果3.スピードの向上
レースペースを上回るスピードトレーニングなので、速筋が鍛えられます。
その点ではレペティショントレーニングと共通していますが、レペティションの方がよりスピード強化に特化していると言えます。
またインターバル走ではフォームの改善によるスピード向上も目的の1つです。
フォームを大きく、ダイナミックに走ることを意識します。
インターバル走はどんなランナーに向いてるか?
インターバル走はサブ3、サブ4などの高い目標に加え、鉄の意志を持つランナーに向いています。
タイムの向上に大きく寄与するので、目標レースのあるすべてのランナーにとって有意義な練習法ではありますが、何しろきついトレーニングですので、高いモチベーションが必要になってくるのです。
ここで1つ私の実体験を。
決して持久系のスポーツが得意だったわけではない私が、トライアスロンに魅せられて自発的に走るということを初めてやったのが高校生の頃でした。
それから、時には年単位の長い休養期間も経て、今また楽しく走っているわけですが、近年まであまりタイムの向上ということを意識していませんでした。
ロングのトライアスロンに無謀な挑戦をするなど、「無理めの」レースに出て完走第1、タイムは2の次、というスタンスだったからです。
ある時、友人に誘われて、ハーフの距離を駅伝形式で走る大会(3km×7を複数人でタスキリレーする)に出場することになりました。
3kmという単位はこれまでレースで走ったことのない距離で、この時初めて意識的に「早く走る練習」に取り組むことになったのです。
近所の公園が1周約500mくらいなのでそれを1周疾走し、1周緩走するというインターバル走でした。
ペースはあまり難しいことは考えず、何本か走って、このくらいが丁度いいだろうというラップタイムを設定しました。
そのインターバル走を週に2回程度、続けたのは2か月程度でした。
駅伝大会自体も楽しく満足できる走りができたのですが、練習の効果を本当に実感したのは、そのあとに走ったハーフマラソンの時でした。
何と前年のタイムに比べて15分も縮まったのです。
この時の大幅短縮の1番の要因がインターバル走にあったというのは、私の実感としてあります。
特にこれまでスピードトレーニングをしてこなかったランナーには、大きな効果が期待できるということが言えます。
インターバル走のおすすめの3つ練習メソッド
インターバル走の代表的な3つのメソッドについて説明します。
おすすめ練習メソッド1.ヤッソ800
単純明快で覚えやすいのがおすすめポイントです。
フルマラソンのタイムが●時間▲分の人は、800mを●分▲秒で疾走します。
緩走はその半分の400mを、同じ●分▲秒で走り、それを10セット(!)行うというものです。
例えばフルが3時間30分の人は、
- 800mを3分30秒
- 400mを3分30秒
として10回繰り返します。
難点は、800mを10本なので結構な距離を走ることになり、かなりしんどいです。
常人では半分くらいで心が折れてしまいそうです。
覚え方は簡単なのですぐにでも始められそうですが、内容的にはハイレベルなランナー向けだと思います。
おすすめ練習メソッド2.ダニエルズ式
ダニエルズ氏の提唱する、最大酸素摂取量に重点を置いたメソッドです。
ヤッソ800に比べるとペースは若干速め、総走行距離は短くなります。
ペースの決め方は「ダニエルズさんの計算機」を使います。
面白いのでぜひ一度やってみて下さい。
http://www.runsmartproject.com/calculator
上記リンクにアクセスしたら、以下の①~③で計算完了です。
- 「Select Event Distance」で、レースの距離を選択する
- 「Time」に目標、あるいは実績タイムを入力する
- 「Calculate」をクリック
計算後、下の「Training」というタブに各種練習法の最適ペースが表示されます。
「Interlval」のところにある数値がインターバル用のペースで、ダニエルズ式では「Iペース」と呼ばれます。
例としてフルのタイムを3時間30分とすると、1kmのペースは4:13と出てきました。
ダニエルズ式ではこのようにペースが決定しますが、距離と本数を決めるためには以下のような指針を定めています。
- インターバルは3分~5分
- Iペースで走っていいのは週間走行距離の8%まで
上記の例だとキロ4分13秒なので、1kmのインターバルならOKですね。
週50km走る人で8%だと4kmなので、1kmを4セットや、800mを5セットなどが設定可能です。
おすすめ練習メソッド3.岩本式
唯一、疾走距離をだんだん短くしているメソッドです。
距離が短くなればペースを上げることが課せられるわけですが、距離が短くなるというところに若干の心の余裕が生まれます。
変化があった方が続けられそう、と思われる方は試してみて下さい。
距離、本数、ペースは以下のようになります。
※()内はフルのタイムを3時間30分とした場合の所要時間
- 1000m×1本 フルの80%のペース(3:59)
- 800m×1本 フルの80%のペース(3:11)
- 600m×1本 フルの80%のペース(2:24)
- 400m×1本 フルの75%のペース(1:30)
- 200m×4本 フルの65%のペース(0:39)
ペースがかなり速いのと、ペースを覚えるのが面倒というのが注意点ですね。
インターバル走で練習の成果を最大限に出すための2つコツ
成果を出すためには、以下の2点を意識していただくのが良いと思います。
練習のコツ1.フォームを意識する
できるだけフォームに意識を傾け、大きなフォームで走ることを心掛けてください。
地面を蹴るつま先、足の運び、腰の高さ、状態のひねり、腕の振りなど、意識するポイントはたくさんあります。
フォームが著しく乱れるようであれば、練習プランに無理があるかもしれません。
その場合は、ペースを少し落としたり本数を減らすなど、少しフレキシブルに考えてみると良いと思います。
練習のコツ2.継続すること
さて毎度同じことを言いますが、一番重要なのは継続することです。
インターバル走は確かにつらいですが、鉄の意志が必要などと精神論で片づけてしまうだけでは、あまり文化的ではありません。
賢明なランナーの皆さんは、物事を継続の方向に導く個人的なノウハウを、おそらくいくつか開発されているはずです。
練習日誌なんかもその1つですね?
例えば週1回はインターバル走をやると決めてしまいます。
そしたらそれを週の後半に持ってくるのではなく、できるだけ週の頭にやってしまって、練習日誌に記入します。
可能であれば月曜、雨が降ったら火曜という風に。
するとどうでしょう。
週に1回は「やらなきゃいけない」だったのが、先にやってしまったことで、後の6日は「やらなくてもいい」に変わるんですね。
物事の成否を分けるのって、本当にこんな些細なことだったりするのだと私は思います。
インターバルトレーニングの導入でフォームの改善とランニングのスピードUPを!
いかがでしたか?
インターバル走は皆さんご存知の通りタフな練習法です。
高い目的意識が求められます。
競技としてのランニングは脚の筋肉や心肺機能を酷使するものです。
成果を上げるには、こうしたきつい練習法も取り入れていく必要があります。
さて、インターバル走の効果には、
- 呼吸循環器系の強化
- 心肺機能の強化
- スピードの向上
がありました。
また代表的なメソッドは、
- ヤッソ800
- ダニエルズ式
- 岩本式
です。
うまくいかない時はやり方を変えてみるのも手です。
ご自分に合った練習法を探し出してください。
週に1回程度、自分に鞭打って、その先にある成果をつかみ取ってみませんか?
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