
ランニングのスピードアップに効果的なレペティショントレーニングについて紹介します。
- 「毎年大会に出てるけどなかなかタイムが上がらない」
- 「目標の距離を完走できるようになったから、今度はスピードを強化したい」
というランナーの方、ぜひご覧ください。
目次
マラソンのトレーニング走法、レペティショントレーニングとは?
レペティショントレーニングという名前を聞いたことがない方も多いと思います。
レペティショントレーニングとは、スピードUPを目的とした練習法の1つで、「短い距離をハイペースで疾走」→「休憩」を繰り返します。
ランニングと休憩を繰り返す点でインターバル走と似ていますが、以下の2点で区別されます。
- レペティショントレーニングの方がよりハイペース(基本全力です)
- インターバルの休憩がジョグであるのに対して、レペティショントレーニングはしっかり休憩を取り回復させる
インターバル走について詳しく知りたい方は以下より
【速く走りたいランナー必見!】インターバル走の3つの効果とおすすめの3つの練習メソッド
ランニングの練習法はいろいろありますが、スピードのイメージはざっくり下記のようになります。
早い
↑ ダッシュ
↑ レペティション
↑ インターバル
↓ LTペース、レースペース
↓ ジョグ
↓ LSD
遅い
ダッシュというのは比較のために書きましたが、一般的に長距離走のトレーニングとして取り込むことはあまりないと思います。
そのため、長距離において、レペティショントレーニングは、最も高速で行う練習法と言えるかもしれません。
レペティショントレーニングは、200m~2km程度の距離を全力で走ります。
ただ全力と言っても、ダッシュのようにがむしゃらに全速力で走るということではなくて、あくまで決まった距離を、一定のペースで走れる範囲内で最高のスピード、ということになります。
レペティショントレーニングをすることで得られる2つの効果
レペティショントレーニングの効果は、
- スピードを向上させること
- ハイスピードで長く走り続けられるようにすること
です。
以下でもう少し詳しく見ていきましょう!
レペティショントレーニングで得られる効果1.スピード向上
まず大前提として、
「速く走れるようになるためには、速く走る練習をする必要がある」
ということが言えます。
当たり前のことのように聞こえますね。
しかし、実際に市民ランナーの何割が、日常的に、レースペースを超えるペースでの練習を取り入れることができているでしょうか?
日々のジョギングをすることで、スタミナのある遅筋(筋肉の種類の一つ)を鍛えることはできます。
ただ遅筋は、大きな力を出すことは苦手なので、遅筋だけではスピードは出ません。
一方、速筋(筋肉の種類の一つ)と呼ばれる筋肉は、持久力はありませんが瞬発力に優れます。
ランニングにおけるスピード向上には、速筋を鍛えることが欠かせません。
レペティショントレーニングの最大の効果は、速く走るための筋力を養うことなのです。
レペティショントレーニングで得られる効果2.速くかつ長く走れるようになる
速くかつ長く走れるようにすることを「乳酸耐性を向上させる」と言い換える場合もあります。
強度の高い運動をすると「乳酸がたまる」という言い方をよくしますね?
一般的に、筋肉に乳酸がたまると筋肉の収縮が鈍くなり、運動強度を保てなくなると言われています。
マラソンの場合でしたら、速く走り続けることが困難になるということです。
乳酸の蓄積と疲労との因果関係には諸説あるので、ここではその詳細には触れません。
ただはっきりしていることは、強度の高い運動をすると、あるポイントから急激に「疲れやすく」なるということです。
そのポイント(閾値)がLT値と呼ばれるものですが、ハイペースでの疾走を繰り返すことで、このLT値を向上させることができます。
LT値が向上すると、同じペースで走っていても疲れにくくなるわけですから、速く長く走れるということにつながるわけです。
どんなランナーがレペティショントレーニングを練習に取り入れるべきか?
ここまでの内容からもわかる通り、レペティショントレーニングは、「レースのタイムを上げたい人」に向いているマラソンの練習法です。
特に、サブ3やサブ4など、明確な高い目標を掲げているランナーにとっては、もしかすると目標タイムの達成ができるかどうかを分ける重要なポイントになるかもしれません。
では、「自分はタイムはあまり気にしない、完走できればいい」というランナーには不必要なのでしょうか?
私はそんなことはないと思います。
というのも、大会となると一般的にペースが上がりがちです。
普段よりも早いペースで走るため、それに対応できる筋力や筋持久力を養っておく必要があります。
大会中に練習では経験したことのない部位の痛みに襲われたり、想定外の疲労である地点から足が前に運べなくなったりして、途中で棄権するということはしたくないですよね。
一方、大会には全く出ない方、純粋にダイエットやシェイプアップ目的でランニングをたしなんでいるという方にとっては、さすがに必要ないかもしれませんね。
レペティショントレーニングの具体的な練習方法
レペティショントレーニングの具体的な方法を、以下に説明します。
レペティショントレーニングの走行距離はどうすればいいの?
一般的に200m~2kmくらいと、結構幅があります。
想定するレースの距離によって求めるスピードも変わってくるので、目安としてはレースの2%〜5%程度の距離と考えれば良さそうです。
これに当てはめると具体的には、
- レース距離10km:200~500m
- レース距離20km:400~1000m
- レース距離40km:800~2000m
となります。
ペースを把握するためにタイムは必ず計測してください。
レペティショントレーニングでの休憩はどうすればいいの?
休憩時間は走る距離によって5分〜15分程度が目安となります。
インターバル走のようにジョグをするのではなく、歩きながら十分な休憩を取ってください。
レペティショントレーニングの走る本数はどうすればいいの?
距離によって3本~10本程度です。
本数を頑張りすぎて著しくペースが落ちると、この練習法の本来の目的からずれてきてしまいます。
求めるスピードを持続できる程度の本数に設定しましょう。
レペティショントレーニングを練習に取り入れる頻度はどうすればいいの?
非常に負荷の高いトレーニングなので、あまりにも頻繁に行うことはおすすめできません。
週に1回、多くて2回程度が良いと思います。
またレース前や、気候的に暑すぎる季節などは避けた方がいいでしょう。
サブ3、サブ4を目指すランナー向けのレペティショントレーニングの具体例
ハイレベルランナーには、スピードを鍛えたい時期に、ジョグなどの別のトレーニングと合わせて、以下のようなメニューで取り組んでいただくのが良いと思います。
時期:レース数か月前などのスピード強化期
頻度:週2回
距離:800m
本数:5セット
具体例とは言っても、この練習法にはペース設定という概念はありません。
決まった距離を全力で走ってください。
レペティショントレーニングで効果を最大限に出す2つのコツ
成果を出すために、以下のようなことを意識して実施してみて下さい。
練習中の走る速度は一定に
繰り返しになりますが、レペティショントレーニングは、短~中距離をイーブンペース(一定のペース)で走る練習法です。
まずは想定するレースを目安にして距離を決めたら、その距離での試走をして、イーブンペースで走れるスピード感を体得しましょう。
そのためにラップタイムを測れる時計は必須です。
タイムの向上がこの練習法の大きなモチベーションになります。
ちなみに私のおすすめは以下の時計です。
![]() |
CASIO(カシオ)
|
休憩の長さにはこだわらない
全力疾走する方に重点を置くので、休憩時間の長さは問題ではありません。
時間を一定時間にする必要もありません。
休憩後の疾走でタイムが明確に落ちるようであれば、休憩が足りない可能性があります。
その場合は、もう少し長めに休憩を取った方がいいですよ。
レペティショントレーニングをする上での2つの注意点
レペティショントレーニングを実施するのあたって、注意点は以下の2点です。
レペティショントレーニング前後でウォームアップ、クールダウンは必ずやる
ランナーとしての常識ですが、スピードトレーニングをいきなり始めるのは論外です。
心肺機能へ急激な負荷をかけてしまうだけでなく、筋肉や関節のトラブルの原因となります。
急激な負荷は、ランニング中の肺の痛みの原因になったり、特に高血圧の方は心疾患などへの悪影響にもなります。
クールダウンは疲労回復を助け、翌日以降のトレーニングに良い影響をもたらします。
練習中に足腰に痛みや違和感を感じたら無理して継続しない
どんなに効果的なトレーニングでも継続できなければ意味がありません。
高速でのランニングになるので、足腰への負担も大きく、ケガのリスクもあります。
せっかくのタイム向上のための練習が、ケガをしてしまっては元も子もありませんね。
練習中に痛みや違和感を感じたら勇気をもってストップするのも、長い目で見れば必要なことです。
時々スピード系の練習法を取り入れることは、マンネリを防止し、気分転換にもなるはずです。
あまり追い込まず、楽しんでできる程度のプランを心掛けましょう。
練習を嫌いにならないよう、心の声に耳を十分傾けて下さい。
ランニングのタイム向上を狙うならレペティショントレーニングを!
いかがだったでしょうか?
レペティショントレーニングは、
- 短~中距離を
- 全力で
- 十分な休憩を挟みながら
- 複数回繰り返し
行う練習法です。
週1回など無理のない頻度で取り込むことで、スピードを向上し、速く長く走れる筋肉を養うことにつながります。
まずは試しに、近所の公園を1周でもいいかもしれません。
全力で風を切って走ってみてはいかがでしょうか?
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