
ランスマライターのサトウカエデです。
ある日、走っていると膝が痛い…
それ、もしかしたら「腸脛靱帯炎(ランナーズニー)」かもしれません。
ランナーに多い膝の故障。多くの場合、走り方や筋力が関係しています。
ほおっておくと痛みが酷くなり、ドクターストップがかかってしまうことも。
膝が痛み出したら「大したことない」と思わず、冷却や柔軟運動をするなど適切な対応が肝心です。
今回は、ランナーズニーの痛みの対処法を3段階に分けてご紹介します。
目次
膝が痛む腸脛靱帯炎(ランナーズニー)とは?ビギナーも上級者も要注意!
膝の故障や痛みは、ランナーにとって悩みどころです。
腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)とは、別名ランナーズニーと呼ばれます。
ランニング初心者だけではなく、何年も走りこんでいる上級者にも起こりうる膝の故障です。
ランナーズニーの痛みには、いくつかの特徴があります。
・膝の外側が痛くなる
・レントゲンで骨には異常が認められない
・はじめの頃はランニング中だけ痛む
・酷くなると、足を曲げ伸ばしただけで痛む
はじめのころは、ランニング中に痛むだけだったものが、悪化すると日常生活に支障をきたすように。特に、階段を下りるときにひどく痛むといわれます。
ランニング中に少々痛むだけなので放置していたら、酷くなってしまうケースもあります。
腸脛靱帯炎(ランナーズニー)の痛みはなぜ起こる?原因とメカニズム
腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)とは、太ももの外側をはしる筋肉と靭帯です。
骨盤の横から、すねの部分につながっています。
ランナーズニーの痛みは、この腸脛靱帯が炎症を起こすことにより発生します。
腸脛靱帯が大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうが)という膝の関節部に擦れることで、痛みが発生するのが主なメカニズムです。
発生の原因は詳しくは解明されていませんが、オーバーユース(使い過ぎ)が痛みを引き起こすと考えられています。
・長距離走や、過剰なランニング
・筋力に対してクッション性の弱いランニングシューズ。
・平坦ではなく、坂道や整備されていない道でのランニング。
・筋肉の柔軟不足
など、さまざまな要因があわさって発症します。
そのため、
・準備運動が十分でないランナー
・筋力が十分ではないビギナー
・月間走行距離が200キロ以上走り込んでいる上級者ランナー
でも、誰でも同じように腸脛靱帯炎(ランナーズニー)が発生する可能性があります。
膝が痛み出したらどうする?ランナーズニーの発生初期は、冷却と安静が鉄則
ランナーズニーの症状が出たら、まず必要なのが「ランニングをやめること」です。
痛みが出ている場所を冷却し、炎症をおさえます。
靭帯への過度な負担により痛みが発生しているため、安静を確保することが鉄則です。
走っている間に「膝が痛いな」と思ったら、ランニング後にアイシングをしましょう。
そして、次のトレーニングでも痛みがあるようなら、無理せず走るのをやめます。1週間ほど休養期間をはさんで、様子をみてみましょう。
ランナーズニーの痛みがおさまってきたら…走り始める前に注意したい4つのこと
発生初期は、しばらく休めばランナーズニーの痛みも緩和されます。
ランニングを再開する際は、以下の点を気を付けてみると膝の痛みの再発に対処できます。
注意点1.ランニング開始前は、しっかりと柔軟を行う
筋肉の柔軟不足も、ランナーズニーが発生する要因となります。
特に、寒い冬の時期は要注意。寒さにより、筋肉が硬直しています。
すぐに走り始めるのではなく、柔軟体操で筋肉を温めてからランニングを開始しましょう。
注意点2.ランナーズニーの予防に!筋肉をほぐすおすすめのストレッチ
腸脛靱帯をほぐすには、お尻から太ももにかけての筋肉のストレッチが効果的です。
おすすめストレッチ1.足を組んでお尻を伸ばす
床に座り片方の膝を立てます。もう片方の足を膝にのせるようにし、お尻から太ももの裏側が伸びるように意識します。
おすすめストレッチ2.足を胸にくっつけるようにしてお尻と太ももを伸ばす
座った状態で、片方の膝を立て、もう片方は伸ばしておきます。その状態で、膝を立てた足をぐっと胸にひきつけます。
ストレッチは、長く行うのではなく1回10秒ほどにとどめます。左右5回づつ、走る前に行いましょう。筋肉をゆるめることで、関節や膝の故障予防につながります。
注意点3.膝の痛みとランニングシューズは関係している!?合った靴を履こう
ランニングを再開するまえに、もう一つ確認してほしいのが、ランニングシューズです。
あなたの足にあったものを履いていますか?
足のサイズや形だけでなく、クッションにも注目してください。
クッション性の薄いランニングシューズは上級者向けです。
デザインや形だけで選ばず、あなたのランニングレベルにあったシューズを選びましょう。
注意点4.ランニングコースを平坦な道に変える
坂道でのランニングも、ランナーズニーを引き起こす要因になります。
もし、普段のランニングコースに坂道が含まれているなら、しばらくは平坦なコースに変えるのもいいでしょう。
走るスピードを調整できるトレッドミルで、トレーニングをつむのもおすすめです。
ランナーズニーの予防に!足の筋力を高めるための筋肉トレーニング
痛みが改善し、走れるようになったら、柔軟だけではなく筋トレも普段の練習に取り入れてみましょう。
足の筋力をアップさせることで膝の故障を防ぐだけでなく、走力をあげることにもつながります。
おすすめの筋トレ種目1.スクワット
足の筋力を鍛える代表的な筋トレといえば、スクワットです。
太ももを中心に、足全体の筋力を高めます。
足の筋力が高まることで、走行中の膝への負担を軽減できます。
筋トレ初心者の方は、まずは自重(重りをもたないで)はじめてみましょう。
背中を丸めたり、左右に傾かないように要注意。
10回×3セットを、空いた時間に取り入れるだけでも変化があります。
慣れてきたら、バーベルやダンベルなどの重りを活用してみましょう。
おすすめの筋トレ種目2.ランジ
片足を前に出し、そのまま重心をかけて沈むランジはランニングに似た動作です。
お尻から太ももの裏側の筋肉を鍛える効果があるだけではなく、ストレッチ効果も期待できます。
体が硬く、膝の痛みの要因となっている人にも効果的です。
まとめ:痛みが引かなければ、無理せずお医者さんへ!
注意していても、膝が痛んでしまう。
そんなときは、無理せずにお医者さんへ。
専門家のアドバイスをあおぎましょう。
自己判断で無理なトレーニングを続けては、痛みがひどくなってしまいます。
日頃から自分にあった靴をはき、柔軟や筋トレでケガのリスクを下げましょう。
そして、しっかりと休養することがなによりの鍵です。
ケガはランナーの大敵!ケガ予防のための予備知識を蓄えよう!