
看護師ランナーのしまづです!
厚生労働省は2年ごとに「国民生活基礎調査」という大規模調査を実施しています。この調査によると、カラダに何らかの不調を持つ人を症状別に見た時、「腰痛」が毎年トップです。
そのため、腰痛は今や国民病とも言われており、読者さんの中にも腰痛に悩み方もいるかもしれません。
腰痛の原因には生活習慣が深く関わっており、いくつかの原因が積み重なって症状として現れます。中には、ランニングが腰痛の原因となっている場合もあり、注意が必要です。
今回は腰痛とランニングの関係性、腰痛の予防として家でも簡単に出来るストレッチをご紹介します。ぜひ、参考にしてみて下さい!
目次
腰痛を引き起こすさまざまな原因
腰痛は様々な原因で引き起こされます。骨や神経の異常はもちろん、筋肉や血管などの幅広い身体の要因も関係しているため大変複雑です。
また、生活習慣やメンタルの状態も腰痛の原因となります。飲酒や喫煙といった生活習慣は一見すると、腰痛と関係がなさそうに思えるかもしれません。しかし、飲酒や喫煙は腰痛と関係しています。
このように、腰痛の原因は複雑であるため、原因の特定が難しいものです。ですが、ランニングを始めてから腰痛が出現したり、トレーニングの後に腰痛が強くなったりする場合には、ランニングが腰痛の原因となっているかもしれません。
ランニングが原因で腰痛を引き起こしている可能性も
ランニングは思った以上に腰に負担がかかるものです。上半身の体重を腰で支えながら、踏み出した脚が地面に着地する衝撃が腰にも伝わるため、どうしても腰へのダメージは避けられません。
ランニングでの腰痛をより引き起こしやすくしてしまう原因を挙げていきます。当てはまっているものが一つでもあれば、改善することで腰へのダメージを軽減することができますので、チェックしてみましょう。
フォームが悪くて偏った負担が生じている
悪いランニングフォームの代表例は「猫背」です。近年のテレワークでデスクワークが増えた方は、特に注意しなければなりません。また、上半身を後ろに反らした「反り腰」も腰痛の原因です。
猫背や反り腰でのランニングは、着地の衝撃を吸収しにくく、腰へのダメージが大きくなってしまいます。
理想的なランニングフォームは、耳・肩・腰・膝・かかとが一直線になったフォームです。体の軸が一直線上にあるイメージをしてもらうと分かりやすいかもしれません。きれいなフォームでランニングをすると、腰へのダメージを減らせますよ。
腰回りの筋肉の柔軟性が低い
腰回りの筋肉が柔軟性を失っていると、スムーズな動きができずに腰にダメージを蓄積してしまいます。腰回りの筋肉が硬くなる原因に多いのが、デスクワークによる座る時間が増えることです。
後で紹介する家で出来るストレッチをして、デスクワーク中も一定時間ごとに席を立って腰回りの筋肉を休ませる習慣を作ると良いかもしれません。
また、オーバートレーニングによる腰回りの筋肉の疲労も腰痛の原因です。適度に休みを入れながらトレーニングに励むようにしましょう。
腰に負担が大きい路面やシューズを選んでいる
意外と見落としがちなのが、「路面」や「シューズ」の影響です。腰痛の原因として、着地の際の衝撃が腰に伝わることが挙げられ、着地の衝撃は路面の硬さやシューズの衝撃吸収性能により大きく変化します。
特に石畳とコンクリートの路面は着地の衝撃が大きいので避けた方が良いでしょう。大会を目標にするのであれば、使用される路面に慣れた方が良いかもしれません。しかし、そうでない場合はできるだけ土やトラックといった柔らかめの路面を選ぶと良いでしょう。
シューズ選びに関しては詳しく後述しますが、まずはソールがすり減って機能が落ちていないかを最低限チェックしてみましょう。
ランニングによる腰痛の予防法
それでは、ランニングが原因であると考えられる腰痛に対する予防法をご紹介します。
今は症状が出ていない方であっても、腰痛予防をしておくことで腰へのダメージを減らせますよ。長期的にランニングを楽しむためにも、ぜひチェックしてみてくださいね!
①ランニングフォームを見直す
前述のとおり、ランニングフォームで重要なのは、横から見て体の軸がまっすぐになっていることです。疲れてくると頭が前に倒れて、前傾姿勢になることがありますので、視線をまっすぐに保つことも意識すると良いでしょう。
また、ランニングフォームを正面から見て、左右どちらかに重心が偏っているのも腰痛リスクを高めてしまいます。シューズのすり減り方が左右で異なっていないかでもチェック可能です。
ランニングフォームは鏡を見たり、スマホで自分を撮影したりして、気軽にセルフチェックできます。可能な方は他者に見てもらう、ランニングウォッチのフォーム診断機能を活用してみるとより良いですよ!
②トレーニングの強度やコース選択、シューズを見直す
トレーニングのコース選択は可能な限り柔らかい路面を選ぶようにしましょう。すべて芝生や土のコースがあればベストですが、現実的にはなかなか難しいかもしれません。そのような場合でも、硬い路面を走る距離ができるだけ減らせるように工夫してみると良いです。
そして、トレーニングの強度もご自身の筋力や経験にあったものでなければなりません。既に腰痛を感じているのであれば、トレーニングを中止するか頻度や強度を下げる対応を試してみましょう。
シューズ選びも腰痛予防に重要です。クッション性のある厚底シューズは着地の衝撃をしっかりと受け止めてくれ、膝や腰へのダメージを減らせます。ただし、厚底シューズの感覚に足が慣れるまで時間がかかり、フォームが崩れるリスクに注意しましょう。
薄型シューズしか使用したことがない方は、少しずつ厚底シューズにも慣れていくと良いですよ。
③ランニングの前後のストレッチを習慣にする
ランニング前後のストレッチは腰回りの筋肉の柔軟性を高め、血行を改善するため、腰痛予防に効果的です。ストレッチは正しいフォームで行わないと、狙った効果を望めないので、自己流ではなく正しい方法を学びましょう。
もちろん、ストレッチの効果は腰痛予防だけでなく、膝や足関節のケガ防止にもなりますし、疲労を軽減する効果も期待できます。
最後に家でも簡単に出来るストレッチをご紹介しますので、ぜひトレーニングの前後に取り入れてみて下さい!
家で出来るストレッチ
ストレッチをすることで腰回りの筋肉の柔軟性を高め、疲労や負担を軽減する効果が期待できます。
特に道具の準備も不要なので、今日のトレーニング前後に取り入れてみましょう。
①猫背対策のストレッチ
・うつ伏せになって両方の肘を立てる
・ゆっくりと息を吐きながら、肘を伸ばして上体を起こしていく
・上体を起こしたまま5~10秒の間、姿勢をキープ
・ゆっくりと息を吸いながら、肘を曲げて上体を倒していく
上記のストレッチを5回行います。
②ヨガのポーズのストレッチ
・画像を参考に足を前後に開いて後ろ側の膝を床につき、前側の膝を曲げる
・骨盤をまっすぐにして、息を吸いながら両手を天井に向けて伸ばす
・余裕のある方は背中を少し反らして、後ろ側の膝を床から離す
・5~10秒の間、姿勢をキープする
上記のストレッチを5回行います。
③座って腰をひねるストレッチ
・床に腰かけて画像のように足を組む
・上になっている足の横に手をつき、息を吐きながら腰をひねる
・5~10秒の間、姿勢をキープする
・足を組み替えて同じストレッチをする
左右それぞれ5回ずつストレッチを行う。
まとめ
今回は腰痛とランニングの関係性、腰痛の予防として家でも簡単に出来るストレッチをご紹介しました。
腰痛もひどい場合は改善に時間がかかってしまいます。今回ご紹介したストレッチを根気よく実践しながら、日常生活の習慣を見直してみると良いですよ。
そして、腰痛が改善せず、逆にひどくなっていくようであれば、医療機関を受診してみましょう。