【後編】ランニングフォームを矯正しよう③効率の良いフォームを作るには肩甲骨を意識しよう!

【後編】ランニングフォームを矯正しよう③効率の良いフォームを作るには肩甲骨を意識しよう!
2019年1月23日 三井祐紀

疲れづらくて、より速く前に進める。

そんな「効率のよいランニングフォーム」を作るためのポイントを、シリーズでお伝えしています。

初回は「骨盤」、前回は「丹田」

そして、今回のテーマは「肩甲骨:後編」です。

 

前編ではご説明しましたが、後編からお読みの方へ質問です。

肩甲骨は「動くこと」が大事とされていますね。

しかし、いったいどのように動くことが大事なのか?

ちゃんと把握されていますか?

 

「しっかり肩甲骨を寄せたりできることが大事なんじゃないの?」

「背筋を伸ばして、肩甲骨をしっかり引いて、腕をしっかり振って・・・」

 

これらは一見良さそうですが、実は「効率の悪いランニングフォーム」になってしまうリスクも合わせ持っています。

肩甲骨シリーズ【前編】では、その「リスク」についてお伝えしました。

 

今回は、効率のよいランニングフォームに繋げる「肩甲骨を意識したエクササイズ」の実践編です。

理屈から知りたい!という方は、前編も是非お読み下さい。

前編はこちら⇒ ランニングフォームを矯正しよう③【前編】

 

 

肩甲骨の動きを「効率のよいランニングフォーム」に繋げるためのエクササイズ

では、肩甲骨の動きを効率のよいランニングフォームに繋げるためのエクササイズを実践しましょう。

もしも、手首・肘・肩・くび・腰の調子が思わしくない方は、かかりつけの専門家にご相談の上、実施してみてください。

 

 

「効率のよいランニングフォーム」に繋げる肩甲骨エクササイズ:肩甲骨の動きチェック

まずは、肩甲骨の動きのテストです。

肩甲骨は全方向へと自在に動かせることが大事です。

しかし、普段の姿勢の影響で、動かすことが苦手になりやすい方向があります。

それは「寄せる・引き下ろす」という方向です。

そこで、苦手となりやすい方向への動きが、しっかり出るかどうかチェックしてみましょう。

  1. 壁に「空気椅子」の状態で寄りかかります。
  2. 少し斜め上方向に、両手をバンザイさせます。
  3. 親指が壁につくか、チェックしましょう。

 

 

「肩甲骨の動きチェック」の注意点

  • 上段右:肘が曲がらないようにしましょう。
  • 下段右:親指が壁につくか確認しましょう。
  • 下段右:肘が曲がらないようにしましょう。
  • 下段右:腰が反って、背中が壁から離れないようにしましょう。

OKだった方は、この後紹介する「レベル2」のエクササイズから行ってみてください。

NGだった方は、「レベル1」のエクササイズから行いましょう。

 

 

効率のよいランニングフォームに繋げる肩甲骨エクササイズ:レベル1

テストで親指が壁につかなかった方、動きがスムースにいかなかった方、肩まわりの硬さが気になった方は、レベル1のエクササイズから行いましょう。

  1. まず始めは、図中上段のエクササイズから行いましょう。
  2. 横向きに寝て、膝を曲げて、両手を伸ばした状態にします(上段左)。
  3. 肩甲骨の動きを意識しながら、上側の腕を反対側へと動かしていきます(上段右)。
  4. 片側10回、1日で3セット行いましょう。
  5. 上段のエクササイズが上手くできる(腕がスタート地点から170°のところまで動かせる)ようになったら、下段のエクササイズを行います。
  6. 下段のエクササイズは、手のひらを後頭部に添えて、肘を曲げた状態で行います。

 

 

肩甲骨エクササイズ「レベル1」注意点

肘を伸ばしたバージョン

肘を曲げたバージョン

肘を伸ばした状態でも、曲げた状態でも、注意点は全く同じです。

  • OK:胸が天井を向くように、大きく上半身を回旋させていきます(上段)。
  • NG:胴体の動きが全くなく、腕だけが動いている状態(下段左側)。
  • NG:胴体は回旋しているが、骨盤も一緒に開いてしまっている状態(下段右側)。

 

 

効率のよいランニングフォームに繋げる肩甲骨エクササイズ:レベル2

肩甲骨の動きテストでOKだった方、レベル1のエクササイズがスムースにできる方は、レベル2のエクササイズを行いましょう。

  1. 正座の状態で片手は床に、もう片方の手は「手の甲」を腰にあてます(上段左・下段左)。
  2. かかととお尻の接触点がズレないように、上半身をねじります(上段右・下段右)。
  3. 片側10回、1日で3セット行いましょう。

 

 

肩甲骨エクササイズ「レベル2」注意点

床についた側の腕は肘を曲げずに、肩甲骨から「床を押す」ように意識します(上段右・下段右)。

腰に手をあてた側は、肩甲骨を意識しながら上半身をねじっていきます(上段右・下段右)。

腕の動きにつられて、骨盤も動いてしまわないようにしましょう(下段右)。

片側は前方向へ、反対側は後ろ方向へ、両方の肩甲骨の動きによって上半身がねじれるように意識します。

 

 

効率のよいランニングフォームに繋げる肩甲骨エクササイズ:レベル3

レベル2で確認したように、肩甲骨の動きで胴体をねじる感覚を意識しましょう。

また、このエクササイズは「骨盤のコントロール」が必須です。

前回の記事で紹介した「丹田」の意識と「肩甲骨の動き」を連係させていきます。

体幹下部と体幹上部の連係プレーが重要で、これがスムースにいくと「柔らかな腕振り動作」と「軸のぶれない効率的な動き」へと繋がります。

  1. 壁から少し離れたところに立ち、片手を壁に、もう片方の手は「手の甲」を腰に当てます(図中左)。
  2. 骨盤が動かないようにしながら、上半身をしっかりとねじります(図中右)。
  3. 片側10回、1日で3セット行いましょう。

 

 

肩甲骨エクササイズ「レベル3」注意点

  • OK:壁を押すような動きと、上半身をねじる動きを同時に行います(上段左)。
  • NG:下腹部「丹田」の力が抜けて、上半身が弓なりに反ってしまった状態(上段右)。
  • NG:くびや肩に力が入って、肩が持ち上がってしまった状態(下段左)。
  • NG:上半身の動きと同時に、腰も開いてしまっている状態(下段右)。

 

 

肩甲骨の動きを意識して、ランニングに最適な体幹回旋能力を手に入れましょう!

肩甲骨の動きは重要です。

しかし、大事なことは「肩甲骨を寄せる」ことだけではありません。

肩甲骨を寄せることによって、姿勢が良くなる可能性は高いです。

しかし、寄せることだけを意識した動きは、上半身が後方に引っ張られて「非効率的なランニングフォーム」となってしまうリスクも併せ持っています。

肩甲骨を「効率的なランニングフォーム」に繋げるためには、肩甲骨の動きを意識して、軸のぶれない体幹の回旋運動を引き出すことが重要です。

 

軸のぶれない体幹の回旋運動によって、得られるメリットは以下の通りです。

・肩・首・背中に余計な疲労感が生じない走りが可能となります。
・走行中のエネルギー消費量を軽減することができます。
・地面を押す力が進行方向へと集中しやすくなり、推進力を得やすくなります。

今回紹介した肩甲骨の動きを意識したエクササイズを通じて、ランニングに最適な体幹回旋能力を身につけましょう!

 

 

ランニングフォームを改善したい人が絶対見たい記事

ランニングフォームを矯正しよう①効率の良いフォームになるには骨盤を意識することが重要!

ランニングフォームを矯正しよう②効率の良いフォームを作るには丹田を意識しよう!

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