
ランニングトレーニングの進め方はランナーによって様々です。
・毎週決まった曜日に習慣的に走る人
・思い立った時に好きなだけ走るという人
・パソコンでトレーニング計画を立ててそれを着々と遂行する人
・日々どれだけ走ったかを練習日誌に記録するのが生き甲斐になっている人
目標へのアプローチやトレーニングの楽しみ方に自由度が高いのもランニングが優れている点の一つですが、ラントレ初心者の多くが一度は抱く疑問の一つがこれではないでしょうか?
「距離と時間、どちらに重きを置くか」
つまり日々の練習の目安を距離ベースにするのがいいのか、あるいは時間ベースにするのがいいのか、という命題です。
私が本格的に(と言ってもあくまで趣味レベルですが)ラントレを開始したころ、まず距離ベースでトレーニングをしていました。
自分は、形に残すのが好きなタイプなので、月間や週間の目標を
・スイム
・バイク
・ランニング
ごとに(当時トライアスロンの大会出場を目標としていたので)立てて、トレーニングを終えるたびにパソコンにその日の距離を打ち込んではモチベーションの維持に努めていました。
それはそれでとても充実した日々でしたが、ランニングとの長い付き合いの中には故障など苦い経験も多々あります。
失敗談なら優に原稿用紙100枚くらいは書けます。
今回はそういった経験も踏まえ、この疑問について考えていきたいと思います。
目次
ランニング初心者が重視すべきは距離か、時間か?
結論から言うと、特にランニング初心者の方ほど、時間重視のトレーニングをおすすめしたいです。
言い換えるとこれは、日々のトレーニングである決まった一定の”距離”を走るのではなく、ある決まった一定の”時間”を走る、ということになります。
もちろん、必ずしも時間一定の方が優れているということではなく、距離一定にも利点はあります。
自分に合ったトレーニングプランは、ランナーとしての熟練度や生活のリズムに合わせて時々見直してみることも必要です。
それでいてなぜ初心者には距離一定ではなくて時間一定をおすすめしたいのか?
それはランニング初心者だからこそ、という理由がいくつか存在します。
ではここからは、3つのアプローチで時間一定ランニングの優位性について説明していきたいと思います。
時間を重視すべき理由1.無理をしがちな初心者だからこそ
普段のラントレで、特に思いあたる節もないのに「どうもいつものペースで走れない」、「ゆっくり走っているのにどうも疲れを感じる」など経験はありませんか?
私はあります。
最初の頃は、ちょっとしたことで自分の体力に不安を感じたり、練習の仕方に疑問を持ったりしてしまうものです。
「距離一定のランニング」と「時間一定のランニング」では、体への負荷が変わってくることがあります。
あなたがランナーとして十分に成熟していて常に一定のペースで走ることができるとして、更にコンディションの波もなく常に安定したパフォーマンスを発揮できるとしたら、距離一定でも時間一定でも差はなく、毎回同じ負荷を体にかけることになります。
しかし実際には、同じ距離でも難なく短い時間で走れるようになったり、あるいは体調が優れない、気分が乗らないなどの理由で同じ距離でも長い時間がかかってしまったりするものです。
そうした場合、決められた距離を走ろうとするとトレーニングの強度が不足してしまったり、逆に過度な負荷をかけてしまったりということになってしまいます。
ここに初心者が特に陥りやすいワナがあります。
ベテランランナーになると、自分の体の変調やその日のコンディションに対するセンサーが敏感になり、走っていて不具合を感じたらペースを調整し、場合によってはトレーニングを中断するなどの判断が自然とできるようになります。
こうした判断は口で言うほど簡単ではなく、真面目でモチベーションの高い初心者ランナーにとってこそ難しいものです。
例えば自宅を出発して自宅に戻ってくる5kmの道のりをトレーニングコースとして設定していたとします。
すると体調不良でいつものペースが保てないような状態であっても、決めたノルマは達成しなければという強迫観念に駆られたり、途中で走るのを止めてもどうせ家までまだ距離があるからと、ついつい無理をしてしまいがちになります。
この無理が
・体調を悪化
・膝や足首などの関節痛を助長させる
といった事態を招き、翌日以降のトレーニングができなくなってしまうこともあります。
初心者の場合はこうしたトラブルが致命的となり、輝かしいランナーとしての未来を閉ざしてしまうこともあるでしょう。
一方、例えば1回のトレーニングを30分としておくと、その日の自分に合ったペースで走り、その距離がどうであれ、半分の15分が経過した時点で折り返してくれば良いのです。
そうすることで、過剰な負荷をかけてしまうことをある程度防ぐことができ、無理のない比較的安定したトレーニングが自然とできるようになります。
この点が時間一定でのトレーニングをおすすめする最大の理由と言っても良いかもしれません。
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時間を重視すべき理由2.腕時計ひとつあれば時間は計れる
トレーニングの継続を妨げるものはケガや体調不良だけではありません。
例えば旅行や長期の出張などがあった場合はどうでしょうか?
毎日のように続けていたトレーニングが数日間中断されてしまうと、それは大きなモチベーション低下へとつながります。
そんなこともあって多くの人がスーツケースにランニングシューズやウェアを詰め込んで、旅先でもトレーニングを継続しようと意気込むことでしょう。
私もそのひとりで、国内外を問わず頻繁に出張のある生活を続けてきたため、出発前から地図で周辺の走りやすそうなルートを探し、ホテルに到着すると真っ先にフロントでジョギングコースについて尋ねるのが習慣になっています。
こうした旅先でのトレーニングの場合、走った距離を把握するのはなかなか難しいものです。
今でこそ地図サイトのルート機能を使えばおおよその距離を調べることは可能かもしれませんが、それもなかなか面倒な上に、細い路地が多い場合など正確性には自信が持てません。
一方で時間を目安にしていれば、半分の時間が経ったら引き返してくれば良いだけなので、腕時計ひとつあれば旅先だろうといつもとまったく同じだけ走ることができます。
特に、トレーニング日誌をつけるなど、日々の成果を可視化することでモチベーションを維持するタイプのランナーには、トレーニング量を正確に把握できるということはかなり重要な意味を持つものだと思います。
こうした管理の容易さというのが、時間一定にするメリットの1つとなります。
トレーニングノートをあなたもつけ始めませんか?
ランニングを継続する鍵は書き出すこと?ランニングノートをつける際の3つのポイント
時間を重視すべき理由3.より快適に、より楽しくランニングを続けるために
ランニングに限った話ではありませんが、どんな競技においても初心者というのは能力の急激な向上が見込まれる反面、コンディションやモチベーションの波が大きいという特徴があります。
これまでに述べてきたこととも一部重複しますが、始めたばかりの頃は日々のトレーニングに対する身体の応答性が高く、気持ちが乗っているときは無理をしやすく、いったん下がってしまうと戻ってこないなどということもあります。
距離ではなく時間を重視してランニングを始めることは、トレーニングの快適性を高め、走ることをより楽しめるようにする方法の1つだと私は考えます。
全くの初心者の場合、まず最初は15分程度、走るのがきつければ早歩き程度でも良いのです。翌日筋肉痛になったら、1日置いて次の日に走れば良いです。
ゆったりしたペースで30分程度走れるようになったらそれをしばらく続けてみると良いと思います。
急いでペースを上げる必要はありません。そのうち自然と少しずつ、15分の折り返し地点が先に延びていきます。
街中を走る人は先週引き返していた交差点から1つ先の先の交差点まで行けるようになるでしょうし、川沿いを走る人は川にかかる橋を1つまた1つと越えられるようになるかもしれません。
私は近年ハーフマラソンをメインに出場していますが、平日のランは40分を基準にしています。週末に60分から120分程度を1回か2回走り、だいたい週末前後に1日ずつ休養日を挟むといった感じです。
ただし慢性的な膝痛を抱えているので、少しでも膝に痛みを感じたらこの限りではなく、3日程度の連続した休みを取るようにしています。
毎日のコースに飽きて来たらいつもと違う方向に走り出してみるのも手です。どこへ進もうと半分経ったら引き返してくれば良いので、気の向くままに走ることでマンネリを解消することができるのも、時間一定トレーニングの利点と言えます。
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まとめ~初心者はまず時間ベースでのランニングを~
さて、初心者にお勧めしたい時間重視ラントレのメリットとして挙げたのは、要約すると以下のようなものでした。
- 能力や体調に合った適度な負荷で走れる
- 場所を問わず練習量の管理が簡単
- 無理なく、楽しく続けられる
ランニングで何が一番大切かと問われたら、私は迷わず継続することと答えます。
そのためにトレーニングに求められることは、「サステイナブル(持続可能)」で「メジャラブル(計測可能)」であることだというのが私の経験則です。
上で挙げた3つのポイントはこれらを満たすものであり、距離ではなく時間を目安として走ることが、初心者ランナーがこれからの長いランニングライフの良いスタートを切るための1つの良きヒントになればと思います。
無理をしないというスキルは、ランナーがトレーニングやレースなどの経験を踏まえて身につけていく大変貴重なスキルです。
この先ずっと走ることの楽しみを享受しつづけていくためには、自分の心と体をよく理解し、その声に注意深く耳を傾けていくことこそ、実は何よりも重要なことなのかもしれませんね。
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